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ノーリッチ・テリアの性格・特徴・飼い方|初心者が知っておきたいポイント

犬種評価

  • しつけのしやすさ★★☆☆☆
  • 費用(家計への優しさ)★★☆☆☆
  • 性格★★★☆☆
  • 体の強さ★★☆☆☆
  • 運動量の少なさ★★★☆☆
  • 無駄吠えの少なさ★★★☆☆
  • お手入れのしやすさ★★☆☆☆
  • 留守番のしやすさ★★★☆☆
  • 暑さ・寒さへの強さ★★★☆☆
総合評価★★☆☆☆

※総合評価は全犬種の中での相対評価です。

ノーリッチ・テリアは明るく社交的で人懐っこい性格とされる一方、負けん気の強さと頑固さからしつけがしづらい面があるとされています。白内障・緑内障・進行性網膜萎縮症といった遺伝性の眼疾患や心臓疾患のリスクが複数報告されていることを重視し、総合評価を1段階下げています。被毛が厚く湿気がこもりやすいため、皮膚トラブル予防のお手入れも欠かせません。

ノーリッチ・テリアは、ピンと立った耳が特徴の、イギリス生まれの小さなテリアです。小さな体に似合わない勇敢さをもつとされ、垂れ耳のノーフォーク・テリアとは、かつて同じ犬種として扱われていました。見た目の愛らしさだけでなく、猟犬としての気質や、体質面の注意点もあわせて知っておきたい犬種です。この記事では、成り立ち、性格、日本の暮らしで気をつけたい点、迎える前に確認したいことまでを、犬種標準や獣医関連メディアの情報をもとに整理します。

原産国 イギリス
体高 約24〜26cm程度(情報源により差がある)
体重 約5.0〜5.5kg程度(10〜15ポンドとする解説もある)
性格の傾向 陽気で恐れを知らない、きかん気もあるといわれる
平均寿命 12〜15年程度(情報源により12〜14年とも)

ノーリッチ・テリアの成り立ち

ジャパンケネルクラブ(JKC)の犬種標準によると、1800年代の前半から半ばにかけて、ノーリッチ種とノーフォーク種は区別されておらず、一般的な農場の犬でした。背景には、グレン・オブ・イマール・テリア、レッド・ケアン・テリア、ダンディ・ディンモント・テリアが関わったとされています。作業犬としては、キツネやアナグマ、ネズミの猟に用いられたと説明されています。

VCAは、1900年ごろにケンブリッジ大学で「カンタブ・テリア」や「トランピントン・テリア」が人気で、「ラグス」という名のネズミ捕りの上手な犬が、今のノーリッチ・テリアの祖先とみなされていると紹介しています。Wikipediaは、1880年代にケンブリッジの犬の販売業者が、アイリッシュ・テリアなどから「カンタブ・テリア」を作ったこと、フランク・ジョーンズという人物が立ち耳を好んで育てた犬が「ジョーンズ・テリア」と呼ばれたことを紹介しています。

耳の形で犬種が分かれた時期は、国によって異なります。JKCによると、1932年に英国ケネルクラブへ登録されたときは、垂れ耳と立ち耳の両方が「ノーリッチ・テリア」でした。1964年に分かれて、垂れ耳の種類がノーフォーク・テリアの名前になりました。PetMDとVCAは、米国で別の犬種になったのは1979年としています。祖先とされるケアーン・テリアやダンディ・ディンモント・テリアの記事もあわせてどうぞ。

ノーリッチ・テリアの性格

JKCの犬種標準は、愛らしく陽気で、恐れを知らない性格だとし、けんか好きではなく、自分からけんかを仕掛けることはないとしています。頑丈な体格で、とても活発だとも述べています。PetMDは、友好的で自信にあふれ、周囲に気を配る社交的な犬で、体の小ささにかかわらず、怖いもの知らずに見えることが多いとしています。子どもやほかのペットとも、たいていはうまくやれるそうです。AKCのページは、自分の小ささに気づいていないかのような「小さな体に大きな犬が入っている」犬だと紹介しています。

一方で、テリアらしい面もあります。PetMDは、賢く人を喜ばせたがる反面、独立心もあるとしています。狩りの本能や、穴を掘る、吠えるといった習性は、一貫して管理する必要があると述べています。VCAも、きかん気が強く、元気で、よく吠えるとしています。Wikipediaは、吠えることと穴掘りがときどきあり、これはテリアの血筋の表れで、早い時期からの一貫したしつけで対応できるとしています。

しつけについて、PetMDは、短く内容を変えながら進める、ごほうびを使った前向きな方法がよく合い、早い時期の社会化も大切としています。VCAは、覚えは早いが飽きやすく、頑固になることもあるとし、内容を工夫して楽しく進めないと、勝手にどこかへ行ってしまいやすいとしています。

身体的特徴

  • 体高:JKCの犬種標準では理想は25cmです。PetMDは約10インチ(約25cm)、VCAは9〜10インチ(約23〜25cm)、Wikipediaは24〜25.5cmとしています
  • 体重:PetMDは約12ポンド(約5.4kg)、VCAは約12ポンド(早見表では10〜15ポンド)、Wikipediaは5.0〜5.5kgです。JKCの犬種標準のページでは体重の記載を確認できませんでした
  • 被毛:硬く針金のような質感の被毛です(PetMD)。JKCの犬種標準が挙げる毛色は、すべてのシェードのレッド、ウィートン、ブラック&タン、グリズルで、白い斑は望ましくないとされています
  • 体つき:JKCの犬種標準は、最小クラスのテリアの一つで、体高が低く機敏で、コンパクトな頑丈な体つきとしています。耳は立ち耳です

体高や体重は、情報源により表し方が異なり、個体差もあるため、目安として捉えてください。

飼い方のポイント

被毛のお手入れ

PetMDは、硬い被毛の質感を保つため、年に数回のハンド・ストリッピング(古い毛を手で抜く方法)を案内しています。ブラッシングは週2回以上、入浴は3か月に1回までに抑えるとしています。VCAも、ハンド・ストリッピングを3か月に1回ほど行うのが目安で、バリカンなどで刈ると毛質が落ちるとしています。ふだんは週に数回、コームでとかし、爪や耳、歯のお手入れもあわせて行うとよいとされています。

運動と頭を使う遊び

PetMDは、運動量を中程度から高めとし、毎日の運動と頭を使う刺激がないと満足しにくいとしています。VCAも、毎日の散歩や遊びが必要で、とくに若いうちは活発に運動させるのが望ましいとしています。小型犬ですが、散歩は毎日欠かさず、においを嗅がせる時間や、遊びを取り入れると、満足しやすいと考えられます。

首輪よりハーネスを

PetMDは、気管虚脱(気管がつぶれて空気の通りが悪くなる病気)の項目で、首輪ではなくハーネスを勧めています。この犬種に限らず、首に負担をかけにくい道具を選ぶと安心です。咳が続く、ふらつくといった様子が見られたら、獣医師に相談してください。

日本の住環境で気をつけたいこと

集合住宅と吠え声

体が小さく、約5kgの体重のため、住まいの広さの面では暮らしやすいと考えられます。ただしVCAは、よく吠える犬種だとしているため、集合住宅では、物音や来客に反応して吠えたときの対応を、早いうちから練習しておくと安心です。管理規約で、飼える犬の大きさや頭数が決まっていることもあるため、迎える前に確認が必要です。

夏の暑さと呼吸への配慮

日本の夏は、高温多湿です。Wikipediaは、ノーリッチ・テリアの一部には、短頭種の呼吸の問題とは異なる上部気道の閉塞が見られると紹介しています(一部の解説での記載)。暑い時間帯の散歩や激しい運動は控え、エアコンで室温を調整するなど、呼吸に負担をかけない工夫をしておくと安心です。いびきや息苦しそうな様子が見られたら、獣医師に相談してください。

梅雨の被毛・皮膚ケア

被毛が硬く密なため、散歩や入浴のあとは、根元までしっかり乾かすことが大切と考えられます。ハンド・ストリッピングはサロンによって対応の可否が異なるため、迎える前に近くで探しておくと安心です。

散歩中の飛び出し

獲物を追う本能があるとされるため、日本の住宅街や公園でも、猫や小鳥を見つけて急に走り出す場面が考えられます。リードを短めに持ち、体に合ったハーネスを選び、玄関の出入りでは扉を開ける前にリードをつけるなど、脱走の対策をしておくと安心です。

迎える前に確認したいこと

  • 運動と遊びの時間:毎日の散歩に加え、遊びや頭を使う時間を確保できるか
  • 吠え声の対応:VCAは、よく吠えるとしています。近隣への配慮や、吠えへの対応を考えられるか
  • 被毛の手入れ:ブラッシングや、年に数回のハンド・ストリッピングに対応できるサロンが近くにあるか
  • 親犬の健康:VCAは、股関節と目の検査結果をブリーダーに確認するよう案内しています
  • 数の少なさ:Wikipediaは、2018年に英国のケネルクラブが、年間の誕生数が300頭に満たない希少な犬種の一つに挙げたと紹介しています。日本国内の頭数は確認できていませんが、出会える機会が限られる可能性があります
  • 費用の見通し:フード代、トリミング代、医療費などが、12年以上続く費用として考えられるか。ペット保険は入るべきか?メリット・デメリットの記事も参考になります
  • 法律上の手続き:生後91日以上の犬は、飼い始めてから30日以内に市町村へ登録し、狂犬病の予防注射を毎年1回受けさせる必要があります(厚生労働省)
  • 終生飼養:動物愛護管理法は、平成24年の改正で、飼い主が最後まで責任をもって飼うこと(終生飼養)を明文化しています(環境省)

かかりやすい病気

ノーリッチ・テリアがかかりやすいとされている病気には、以下のようなものがあります。すべての個体がかかるわけではありません。気になる症状がある場合は自己判断せず、必ず獣医師に相談してください。

  • 膝蓋骨脱臼(パテラ):膝のお皿の骨が、本来の位置から外れる状態です。PetMDとVCAが挙げています。PetMDは、体重の管理と適度な運動を案内し、重い場合は手術が検討されるとしています
  • 白内障:水晶体が白く濁り、見えにくくなる病気です。VCAが挙げています。Wikipediaは、北米の動物病院の記録を調べた研究で、有病率が4.02%で、雑種の1.61%より高かったと紹介しています(一部の解説での記載)
  • 上部気道の問題・気管虚脱:Wikipediaは、短頭種の呼吸の問題とは異なる上部気道の閉塞が見られる個体があり、2019年の研究でADAMTS3という遺伝子の変異との関連が示されたと紹介しています。PetMDは、気管が弱ってつぶれる気管虚脱を挙げ、ガチョウの鳴き声のような咳、失神、疲れやすさが様子の目印としています。いずれも一部の解説での記載です
  • 門脈体循環シャント:肝臓を通るはずの血液が、通らずに全身へ流れてしまう血管の異常です。Wikipediaは、米国の9万頭超を対象にした研究で、かかりやすさが2番目に高い犬種で、7.41%(雑種は0.35%)だったと紹介しています(一部の解説での記載)
  • 歯の病気:PetMDは、歯周病になりやすいとし、歯みがきや歯科処置を案内しています(一部の解説での記載)

このほか、VCAは発作、アレルギー、股関節形成不全を挙げていますが、説明は載っていません(一部の解説での記載)。定期的な健康診断を受け、咳、呼吸の様子、食欲、歩き方、目の様子を日ごろから確認しておくことが大切です。

平均寿命

PetMDは12〜15年、VCAは12〜14年としています。Wikipediaが紹介する英国の調査では14年とされています。12〜15年程度がひとつの目安ですが、情報源により幅があり、個体差や、飼育環境、健康管理によっても変わります。

まとめ

ノーリッチ・テリアは、立ち耳が特徴の、小さくて勇敢なテリアです。一方で、猟犬の本能から、獲物を追う習性や吠え声、穴掘りへの備えが必要です。硬い被毛の手入れに加え、膝、目、呼吸器、肝臓の血管などの病気にも、目配りしておきたい点です。性格や手間、費用を踏まえ、家族全員で迎える準備ができているか確認してから検討することが望ましいです。気になる症状があれば、自己判断せず必ず獣医師に相談してください。

参考情報源

本記事は、JKC(ジャパンケネルクラブ)等の公的資料や獣医療・ペット関連の専門メディアの情報をもとに、編集部で内容を確認のうえ作成しています。編集方針の詳細は運営者情報をご覧ください。