大型犬は体が大きく力も強いぶん、首輪やハーネス、キャリー・クレートを選ぶときに「体重に対して強度が足りるか」「大きさが生活や移動の条件に収まるか」という視点が欠かせません。この記事では、はじめて大型犬用のグッズをそろえる方に向けて、測り方、首輪とハーネスの考え方、メーカー公式の体重目安の読み方、キャリー・クレートの選び方、電車・飛行機・車・災害時の備えを、メーカー公式情報や公的機関などの資料をもとにまとめました。特定の商品のランキングではなく、選ぶ前に知っておきたい「サイズ・体重選びの基本」を扱っています。小型犬向けの内容は小型犬向けグッズの選び方をご覧ください。
大型犬のグッズは「体重」と「力」を基準に選ぶ
小型犬では首回りの数センチの違いが使い心地に響きますが、大型犬では、体重が重いこと、そして突然引っぱられたときの力が大きいことが選び方の中心になります。ペティオの公式ページでは、一般に犬が突発的に引っぱる力は体重に比例すると言われているとして、首輪やリードは体重に合わせた商品を優先して選ぶよう案内しています(2026年10月12日確認)。見た目のサイズが合っていても、愛犬の体重に対応していない商品では、強度の面で不安が残る場合があります。
なお、「大型犬」の区分は会社によって異なります。ANAの国内線の案内では、ペットケージの大きさの目安として、ボクサーやエアデールテリア、ウィペットなどを「大型用(L)」、シェパード、レトリーバー、ドーベルマンなどを「特大用(LL)」としています。ペティオの商品ページでは、ハーネスの「大型犬用」Lサイズの適応体重を30kgまでとしています。また、当サイトの犬図鑑に載せている体重の目安を見ると、ラブラドール・レトリバーはオス27〜36kg・メス25〜32kg程度、グレート・デーンはオス54〜90kg・メス45〜59kgで、同じ大型犬でも2倍以上の開きがあります。「大型犬用」と書かれていても、愛犬の体重がその商品の範囲に入っているかを確かめてください。
まず測る:体重・首回り・胴回り
グッズ選びの前に、次の項目を測っておきます。メジャー(柔らかい巻き尺)と体重計を用意してください。
- 体重:大型犬ではもっとも重要な項目です。首輪・ハーネスの適応体重、キャリー・クレートの体重目安、航空会社の重量条件のすべてに関わります。自宅の体重計では測りにくい場合は、動物病院などで測ってもらう方法もあります。成長期の子犬は短期間で体重が変わるため、購入するたびに測り直します。
- 首回り:首輪やハーネスの首まわりのサイズ確認に使います。
- 胴回り・着丈:ハーネスのサイズ確認に使います。ペティオの公式ページでは、ハーネスのサイズを見るときに注目する点として、首回り・胴回り・着丈の3点を挙げ、採寸は愛犬が自然に立った状態で行うことが大切としています。
ペティオの公式ページには、商品に表示された適応犬種は標準的な体型をもとにしているため、購入の際は愛犬を実測したうえで適応サイズを確かめるようにとの案内もあります。同じ犬種でも体格には個体差があるため、犬種名だけで商品を選ばず、実測値を優先してください。装着後に締めつけすぎていないか、すき間が大きすぎないかは、商品の取扱説明書に従って確認します。
首輪とハーネス、大型犬ならどちらを選ぶ?
どちらか一方が正解というわけではなく、犬の体質や散歩のスタイルによって向き不向きがあります。ペティオの公式ページでは、それぞれの特徴を次のように説明しています(メーカーによる説明です)。
- 首輪:種類が多く着脱がしやすい点が特徴です。犬の首元に装着するので飼い主の指示や合図が伝わりやすく、しつけにも向いている一方、首に負担がかかりやすくなるため、引っぱり癖のある犬や高齢犬にはあまり向かないとされています。
- ハーネス:犬の胴体に着用させるタイプで、首元が楽になります。呼吸器官の疾患がある犬や、高齢で歩くことが難しい犬の散歩に向いているとされています。一方で、飼い主の指示や合図が伝わりにくく、サイズ調整を間違えると抜け出す可能性がある点に注意が必要です。
大型犬は引っぱる力が大きいため、首輪では首に力がかかりやすく、ハーネスでは首元が楽になる一方で、サイズが合わないと抜け出すおそれがあります。引っぱり癖が気になる場合は、グッズの選び方に加えて、散歩の練習の進め方をトレーナーや獣医師に相談する方法もあります。首まわりへの負担や呼吸の様子が気になるときも、自己判断せず、かかりつけの獣医師に相談してください。
商品ごとの評価や価格を比べたい方は、当サイトの犬用首輪・ハーネスおすすめランキングTOP5もあわせてご覧ください。
体重目安とサイズ表の見方(メーカー公式の例)
サイズ表では、「体重目安(適応体重)」と、首回り・胴回りなどの寸法の両方を確認します。以下は、ペティオ公式サイトのハーネス「ラブハーネス」のLサイズ(大型犬用)と、リッチェル公式サイトのハード型キャリー「キャンピングキャリー」のL・XLサイズ(Lは比較用)の掲載内容です。キャリーの内寸は幅×奥行×高さの順で、「本体」は犬が入っていない状態の重さです(2026年10月12日確認。商品を勧めるものではなく、読み方の例として掲載しています)。
| 商品例 | 体重目安 | サイズ・寸法(cm) |
| ペティオ ハーネスL | 〜30kg | 首回り42〜54 胴回り60〜76 |
| リッチェル キャリーL | 20kg以下 | 内寸41.5×61.5×48 本体5.2kg |
| リッチェル キャリーXL | 40kg以下 | 内寸56×81×60.5 本体8.9kg |
このように、同じメーカーでもサイズごとに体重の上限が決まっています。たとえばペティオのハーネスLは30kgまでで、当サイト犬図鑑の体重目安では、ラブラドール・レトリバーのオス(27〜36kg)のように、この上限に近い、あるいは上回る犬種・個体があります。体重が上限に近い場合や超えている場合は、さらに大きいサイズや、メーカーサイトの「大型犬・超大型犬用」といった区分の商品を探すか、メーカーに問い合わせて確認します。体重目安は上限ぎりぎりではなく、余裕のある範囲のものを検討するのが無理のない進め方です。
キャリー・クレートの選び方(大型犬)
大型犬のキャリーやクレートは、小型犬のように抱えて持ち運ぶ前提ではなく、自宅でのハウス、車での移動、動物病院への通院、災害時の備えといった使い方が中心になると考えられます。そのぶん「重さ」「大きさ」「置き場所」を先に確かめておくことが大切です。
サイズは「体重」と「中での姿勢」の両方で見る
- 体重目安:リッチェルの「キャンピングキャリー」では、Lが20kg以下、XLが40kg以下とされています。XLは公式の対象欄で「超小型犬〜大型犬用」と案内されています。
- 中での姿勢:数値上は収まっても、中で立つ・座る・向きを変える・寝る、といった動きができない窮屈なサイズは避けたいところです。ANAのペットケージの条件にも「ペットが立つ、座る、寝る、回転できる大きさである」とあり、日常の使用でも参考になる考え方です。購入前に商品ページの内寸を確認し、愛犬の体長・体高と比べます。
- ハードかソフトか:リッチェルの公式ページでは、キャンピングキャリーを「プラスチック製の丈夫なハードタイプ」と案内し、シートベルトに固定できるため車での安全対策になるとしています。固定の方法や条件は商品ごとに異なるため、取扱説明書に従ってください。
置く場所・運ぶ手段を先に確認する
リッチェルの公式ページによると、キャンピングキャリー XLの外寸は62×87×65cm、本体重量は8.9kg、収納時のサイズは62×87×40.5cm(高さ)です。材質欄にはキャスターの記載もあります。犬が入る前の本体だけでも重さと大きさがあるため、車の荷室や後部座席に載るか、玄関や階段を通せるか、自宅のどこに置くかを購入前に確かめておくと安心です。
当サイトの犬用キャリーバッグ・クレートおすすめランキングTOP5では、楽天市場・Amazonのレビュー評価をもとにした商品比較を掲載しています。
電車で移動するとき(JR東日本の例)
JR東日本の公式案内では、小犬・猫などの小動物を車内に持ち込む場合、動物専用のケース(タテ・ヨコ・高さの合計が120cm以内で、ケースと合わせた重量が10kg以内のもの)に入れ、手回り品きっぷ(290円)を購入するよう案内されています。また、ケースから出さないことも求められています(2026年10月12日確認)。
この条件を、上で挙げたリッチェル キャンピングキャリー XLの数値に当てはめて計算してみます。外寸の3辺の合計は62+87+65=214cmで、規定の120cmを大きく超えます。また、ケースだけで8.9kgあるため、「ケースと合わせて10kg以内」という条件では、中の犬の体重を入れる余地がほとんどありません。つまり、JR東日本の「小犬・猫等の小動物」向けの条件を、大型犬がそのまま満たすのは難しいと考えられます。鉄道会社や路線によって規定は異なるため、利用する会社の最新の案内を確認し、条件に合わない場合は車での移動を中心に計画するのが現実的です。
飛行機で移動するとき(ANAの例)
ANAの国内線の案内では、ペットのケージは、IATA(国際航空運送協会)の規定に適合した、航空輸送に耐えられるものに限られ、頑丈な屋根や通気用の窓、鍵などの条件を満たす必要があるとされています。ANAが示すケージの大きさの目安(犬種の例もANAの掲載)は次のとおりです(2026年10月12日確認。表の「貸出」はANAの貸出用ケージ自体の重さです)。
| 区分 | 犬種の例 | 幅×奥行×高さ(cm) |
| 大型用(L) | ボクサー、エアデールテリア、ウィペットなど | 55×80×60 貸出6.9kg |
| 特大用(LL) | シェパード、レトリーバー、ドーベルマンなど | 65×95×70 貸出8.7kg |
重量については、ペットとケージを合わせた総重量が32〜45kgの場合はお預かりできない場合があり、事前に電話で問い合わせるよう案内されています。45kgを超える場合は、この手続きではお預かりできないとされ、各空港の貨物窓口への申し込みが案内されています。公式の貸出ケージの重量で計算すると、Lサイズ(6.9kg)では犬の体重が約25.1kg以上、LLサイズ(8.7kg)では約23.3kg以上で、総重量が32kgに達します。LLサイズでは、犬の体重が約36.3kgを超えると45kgを超えます。当サイト犬図鑑の体重目安では、ニューファンドランド(45〜68kg程度)のように、犬の体重だけで45kgを超える犬種もあります。
そのほか、大型犬などの場合はペットケージの大きさにより航空機に乗せられないことがあるため事前に問い合わせること、小型機(DH4、CR7)で運航する便ではLLサイズのケージを預けられないことも示されています。5月1日から10月31日は、ボクサーやチャウチャウなど暑さに弱い短頭犬種の預かりが中止されています。家庭用のキャリーがこの条件を満たすかどうかは、購入前に航空会社へ確認してください。また、ANAは、日常生活とは大きく異なる輸送環境がペットの健康状態に影響し、衰弱や死傷に至ることもあるとして、注意事項を確認したうえで利用を検討するよう呼びかけています。愛犬の健康状態に不安がある場合は、事前に獣医師に相談してください。
災害時の備えとしてのキャリー・クレート、首輪・リード
環境省の「ペットの災害対策」のページでは、避難するときにペットと一緒に避難(同行避難)できるよう、日頃からキャリーバッグやケージに入ることに慣れさせておくことが必要とされています(2026年10月12日確認)。JAFの案内では、犬と一緒に避難所へ向かうときは首輪の緩みを確かめ、リードを放さないように注意すること、小型犬や猫はキャリーバッグや簡易ケージに入れて安全に移動することが示されています。大型犬は、ケージに入れて運べない場面も多いと考えられるため、首輪・リードの状態を日頃から点検しておくことが重要です。
JAFは、避難用品のうち命や健康にかかわるものの一つとして「予備の首輪、リード(伸びないもの)」を挙げています。また、はぐれたときのために、連絡先を書いた迷子札やマイクロチップを装着しておくことも勧めています。避難所での受け入れ条件は自治体によって異なるため、住んでいる地域の取り決めもあらかじめ確認しておきましょう。
体重・サイズ選びの注意点
- 体重に合った強度を優先する:前述のとおり、突発的に引っぱる力は体重に比例するとされています。サイズが合っていても、体重の目安を超える商品は避けます。
- 成長期の子犬は「調整できるもの」と「測り直し」:大型犬は子犬から成犬までの体重の差が大きいと考えられます。成長に合わせて買い替える前提で、調整幅があるものを選び、購入のたびに測り直します。
- 交換の目安:ペティオの公式ページでは、首輪・ハーネス・リードの買い替えは約6か月が目安で、使用状況によって傷み方が違うため、早めの交換をすすめています。
- 破損や劣化を点検する:縫い目のほつれ、金具のゆがみ、バックルの割れがないかを定期的に確認します。壊れないと言い切れる商品はないため、傷んだものは使い続けずに交換を検討します。
- 被毛の状態や体重の変化で見直す:被毛が長い犬や、体重が増減したときは、フィット感を確認し直します。
- 誤飲に注意する:噛んだ部品や、キャリーに付属する保冷剤などを誤って口にしないよう、使用中は目を離さないようにします。
首輪やハーネスを付けたあとに、皮膚の赤み・脱毛、首まわりの擦れが見られる場合や、散歩中に咳き込む・呼吸が苦しそうにしているなど、気になる症状がある場合は、自己判断せず、早めに獣医師に相談してください。
まとめ
大型犬のグッズ選びは、①体重・首回り・胴回りを測る、②商品の体重目安と寸法を照らす、③キャリーやクレートは本体の重さ・大きさと置き場所、移動手段の条件を確かめる、の順に進めると失敗しにくくなります。電車や飛行機の規定は、大型犬では条件に合わないことも多いため、旅行や帰省の予定があるときは早めに各社へ確認しておくと安心です。規定や商品情報は変更されることがあるため、購入前・利用前に、各社の最新の案内を確認してください。



