子犬を迎えた最初の夜、ケージの中で鳴き続ける声を聞くと、「このまま構わなくて本当にいいのか」「トイレは覚えてくれるのか」と不安になりますよね。まず結論からお伝えすると、迎えた最初の1週間は「しつけを進める時期」というより、「子犬が新しい家に慣れ、安心して眠れる環境を整える時期」と考えると、あわてずに済むとされています。
最初の夜に鳴き声を聞くと、このままでいいのかなって不安になるよね…。
トイレも、ちゃんと覚えてくれるのか心配になるよね。
何から始めたらいいのか、迷っちゃうよ…。
その気持ち、よく分かるよ。いっしょに、ひとつずつ確認していこう。
パドとクムは、わが家の愛犬をモデルに、AIで描いたキャラクターです
この記事では、最初の1週間に多くの飼い主が迷いやすい「初日の夜」「夜鳴き」「トイレ」「ごはん」「甘噛み」「ワクチン前の外出」を、チェックリストの形で整理しました。確認できた数字(睡眠時間・食事の回数・ワクチンの時期など)は出典つきで載せています。一方、「夜鳴きは何日で止まる」「排泄は何時間おき」といった数字は、今回確認した獣医師監修の資料には見当たらなかったため載せていません(個体差が大きいためと考えられます)。
まず確認:すぐ動物病院に連絡したいサイン
環境の変化で食欲が落ちたり、お腹をこわしたりする子犬は少なくないとされています。ただし、次のような様子がある場合は「慣れの問題」と決めつけず、動物病院に電話で相談してください。夜間・休日は、あらかじめ調べておいた夜間・救急対応の動物病院に連絡する方法もあります。
- ふらつく、ぐったりしている、元気や食欲がまったくない(子犬は月齢3か月くらいまでの小型犬を中心に、長時間食べられないことやストレスで低血糖症になることがあるとされています。けいれん発作や意識が低下する様子があれば、ただちに連絡してください)
- 食欲不振が続いている、下痢や嘔吐が長く続いている
- ごはんをたくさん食べるのに、体重がなかなか増えない
- 迎えたばかりで、いつもと様子が違う、体が震えている(犬が震える原因と受診の目安も参考にしてください)
- 夜通し鳴き続け、水や食事・トイレ・室温を整えても落ち着かない(体調不良が理由で鳴いていることもあるとされています)
- 人の食べ物、薬、洗剤、小さな部品などを口に入れた可能性がある(誤食した時の対処と受診の目安も参考にしてください)
迎える前日・当日のチェックリスト
子犬は、これまで母犬やきょうだい犬と過ごしていた環境から、突然ひとりで知らない家に来ます。迎え入れの当日は、かわいがりたい気持ちを少し抑えて、休ませることが大切だとされています。
迎える前に
- 子犬が過ごす場所(サークルやケージ、ハウス)を、人の出入りが多すぎず、直射日光やエアコンの風が直接当たらない場所に用意する
- 室温を確認する(子犬は25℃前後のやや暖かめがよいとされています。anicom youの情報。目安であり、個体差があります)。温湿度計は犬が過ごす高さに置くと確認しやすくなります
- トイレ、水、食器、毛布を、サークルの中にそろえておく
- コード類、人の薬、観葉植物、小さなもの(ヘアゴム、ボタンなど)を、床から届かない場所に片付ける
- 譲渡元(ペットショップやブリーダー)で使っていた毛布、トイレ、食器、フードの種類や与えている量・回数を確認しておく
- 近くの動物病院を調べ、夜間・救急対応の病院の連絡先もメモしておく
迎えた当日
- かまいすぎない。環境の変化によるストレスを小さくするため、そっとしておき、十分な睡眠をとらせることが重要とされています(アニコム損保)
- 最初のうちは、サークルから出す時間を短く区切り、少しずつ家の環境に慣れてもらう(アイペット損保)
- 食事は、譲渡元で食べていたフードと同じものを、同じくらいの量・回数で与える
- トイレの練習は、迎えた日から始める(アイペット損保)。成功したら、その場で褒める
- 来客や家族のにぎやかな遊びは、数日は控えめにする
初日の夜と夜鳴きのチェックリスト
子犬の夜鳴きの主な理由は、不安や寂しさ、空腹、運動不足、トイレなどとされています。慣れるまでは、サークルやハウスを飼い主のそばに置いて寝かせる方法が紹介されています(アイペット損保)。
鳴いたら、まず確認すること
- 室温は低すぎ・高すぎないか
- 水は飲めるか、おなかはすいていないか(就寝前に軽食を与える方法が紹介されています)
- トイレをしたい様子(うろうろする、床のにおいをかぐ)はないか
- 体調不良のサインはないか(上の「すぐ動物病院に連絡したいサイン」を確認)
上のどれでもなさそうなときの対応
- 飼い主の姿が見えるようにケージやサークルの位置を工夫する、または寝室の近くに置く
- 夕方の運動や遊びの時間を増やす。ワクチンが終わる前は、地面に下ろさず、抱っこやキャリーでの外出にとどめる
- 鳴いている間は、話しかけたり、ケージから出したりしない。静かになったときに褒め、「鳴いても要求は通らない」と教える(鳴けば構ってもらえると学習してしまうとされています)
- 叱らない。叱ると、かえって不安が強まる可能性があります
- 昼間にひとり待ちの練習を少しずつ行う
ただし、体調不良や強い不安で鳴いていることもあるため、「無視すれば必ず解決する」とは言い切れません。お迎えから数日たっても夜鳴きが続く、飼い主が心身ともに限界に感じるといった場合は、一人で抱え込まず、動物病院や専門のドッグトレーナーに相談してください。昼間の留守番での鳴きや、留守番不安については留守番不安・分離不安の記事、吠え全般は無駄吠え・しつけの記事も参考にしてください。
睡眠とごはんのチェックリスト
睡眠
- 子犬は成犬より睡眠が長く、18時間以上は必要だと考えられています(アニコム損保「犬との暮らし大百科」)。20時間程度寝ていてもよい時期とする資料もあります
- 寝ているときは、無理に起こさず、そっとしておく
- 遊ばせすぎない。迎えてから1か月くらいは環境の変化が大きく、免疫力が下がって下痢などで体調をくずす子犬が多いとされています
ごはん
- 回数の目安:離乳後6か月齢までは、1日3回が安心とされています(アニコム損保)。アイペット損保も、低血糖症を防ぐため「少なくとも1日3回くらい」を勧めています。離乳直後は5〜6回程度と紹介する資料もあります
- 低血糖症の予防には、1回の量を減らして回数を増やす方法が紹介されています
- 食べないとき:いったん食器を片付け、1〜2時間くらいたってからもう一度与えるとよいとされています。環境に慣れるまで数日かかることも多く、譲渡元で使っていた毛布、トイレ、食器を用意すると安心しやすいと紹介されています
- フードをお湯でふやかすと香りが立ち、食欲が刺激されるとされています
- 食べない状態が続く、下痢や嘔吐が続くときは、様子見にせず動物病院に相談する
ごはんの量や食事回数は、犬種・月齢・体重によって変わります。フードの袋の目安量とあわせて、かかりつけの獣医師にも確認してください。
トイレのチェックリスト
トイレの失敗は、最初の1週間に最も相談が多い悩みの一つです。詳しい進め方は犬のトイレの失敗・粗相の原因と対策にまとめていますので、ここでは最初の1週間に押さえたい点だけをまとめます。
- 迎えた日から練習を始める
- 寝起き、ごはんのあと、たくさん運動したあとは排泄しやすい時間とされています。そのタイミングでトイレに連れていく
- 成功したら大げさに褒め、排泄が終わったらその場でごほうびをあげる
- 失敗しても、絶対に叱らない。叱られた理由が分からず、「排泄そのものを叱られた」と受け取り、飼い主から隠れて排泄するようになる可能性があるとされています
なお、「何時間おきにトイレへ連れていくか」という数字は、今回確認した資料には見当たりませんでした。子犬は1日に何度も排泄するとされているため、上記のタイミングを目安に、犬の様子をよく見ることが基本になります。
甘噛みのチェックリスト
子犬の甘噛みは、永久歯への生え変わりでむずがゆい、好奇心から口に入れて感触を学んでいる、遊んでほしい、動く手が遊び道具に見える、といった理由で起こるとされています。詳しくは犬の噛み癖(甘噛み)の原因と対策も参照してください。
- 噛まれたら、大きな声や高い声を出さずに、静かに遊びを中断する
- 1分ほど〜数分、子犬の視界から離れて無視する。噛むと楽しい時間が終わる、と学んでもらう方法が紹介されています(アニコム損保)
- 手の代わりに、噛んでよいおもちゃを渡す。ロープ型など、人の手と犬の口の距離が離れるものを使う方法が紹介されています
- 罰として、ケージに入れない(ケージが嫌な場所になるとされています)。手で叩くなど、人の手を使って叱ると、手を怖いものと覚える可能性があります
- 家具やコード、スリッパなど、噛まれて困るものは、届かない場所に片付ける
ワクチン前の外出・社会化のチェックリスト
子犬には、社会に適応する力を身につけやすい「社会化期」があり、おおむね生後3週ごろから12〜13週齢ごろまでとされています(アイペット損保・アニコム損保の情報。資料により終わりの時期の表現に幅があります)。一方で、この時期はワクチンの接種途中と重なります。
- ワクチンの時期の目安:最初の接種は6〜8週齢ごろから始まり、16週齢以上になるまで2〜4週ごとに接種することが世界的に推奨されているとされています。具体的な日程は、獣医師が子犬の状態を見て決めます
- 地面を歩く散歩や、知らない犬との接触、長時間の旅行は、3回目のワクチン終了後1週間程度たってから、獣医師の許可が出てからとするよう紹介されています(アニコム損保)
- それまでの間:家の中にない環境(音、におい、人)に慣れさせるため、抱っこやキャリーケースに入れて外に連れ出す方法が紹介されています。地面には下ろさない
- 室内で、首輪やリード、ブラシ、体を触られることに少しずつ慣らしておく
- かかりつけの動物病院で、健康状態とワクチンの予定を相談する(受診の時期は獣医師に確認する)。子犬の検便は、3〜4週間おきに3回程度が目安と紹介されています(アニコム損保)
「ワクチンが終わるまで外に出さない」か、「抱っこで外の世界に慣らす」かは、獣医師とトレーナーで意見が分かれることもあるとされています。感染症のリスクもあるため、かかりつけの獣医師に、わが子の場合はどうするかを確認しましょう。
最初の1週間の流れ(チェックリスト)
- 迎えた日:サークルで休ませる。構いすぎない。トイレの練習を始める。夜は飼い主のそば(姿が見える位置)で寝かせる
- 2〜3日目:ごはんの食べ具合、うんちの状態、元気を毎日記録する。トイレのタイミング(寝起き・食後・運動後)に連れていく
- 4〜7日目:サークルから出す時間を少しずつ増やす。甘噛みの対応(中断→おもちゃ)を家族全員でそろえる。動物病院で健康状態とワクチンの予定を相談する(時期は獣医師に確認)
- 毎日:睡眠をじゃましない、叱らない、できたら褒める
家族の間で、「鳴いたら構うかどうか」「噛まれたらどうするか」のルールがバラバラだと、子犬が混乱しやすくなります。家族みんなで同じ対応をそろえることが望ましいです。
グッズで環境を整える場合の選び方のポイント
最初の1週間は、しつけグッズよりも「安心して眠れる環境」を作るためのものが中心になります。グッズはあくまで補助であり、不安や夜鳴きの原因そのものをなくすものではありません。
- サークル・ケージ・ハウス:体の成長に合わせて広さを調整できるか、掃除しやすいか、扉の開閉が安全かを確認する。寝る場所とトイレを分けられる広さがあると使いやすい
- 犬用ベッド・毛布:洗いやすさ、体に合うサイズ、噛んでも誤飲しにくい素材かを確認する。譲渡元で使っていたものがあれば、においが付いているので併用する方法も紹介されています
- トイレトレー・トイレシート:トレーの縁の高さ、シートのサイズ、においの残りにくさを確認する
- 給水ボトル・食器:滑りにくさ、洗いやすさ、子犬の体格に合った高さや大きさかを確認する
- 温湿度計:犬が過ごす高さに置けるか、見やすいかを確認する
- ドッグスリング・キャリーケース:ワクチン前の外出や通院に使う。安定して持てるか、子犬が中で姿勢を変えられる広さかを確認する
- 噛んでよいおもちゃ:誤って飲み込みにくい大きさか、ほつれた糸や外れやすい部品がないかを確認する。遊ぶときは目を離さない
グッズをそろえる以外にも、サークルの置き場所を変える、家族でルールをそろえる、動物病院やパピー教室、ドッグトレーナーに相談するといった、お金をかけない(または少ない費用で済む)方法もあります。
注意点
子犬の体調は、短い時間で大きく変わることがあるとされています。この記事は一般的な情報であり、個々の子犬の診断に代わるものではありません。気になる症状があれば、自己判断せず獣医師に相談してください。特に、ぐったりしている、ふらつく、けいれんがある、食べない状態が続く、下痢・嘔吐が続く、何かを口にした可能性があるといった場合は、ただちにかかりつけ(または夜間・救急対応)の動物病院に連絡してください。
夜鳴きやトイレ、甘噛みへの対応は、犬の性格や月齢によって合う方法が異なります。叱る、叩く、ケージに罰として閉じ込めるといった対応は、不安や恐怖を強め、逆効果になる可能性があるとされています。しつけに迷ったら、パピー教室やドッグトレーナーなど専門家に相談する方法もあります。
まとめ
子犬を迎えた最初の1週間は、「しつけ」より「安心できる環境づくり」が中心だとされています。確認できた目安は、睡眠は18時間以上(20時間程度の資料も)、ごはんは離乳後6か月齢まで1日3回、ワクチンは6〜8週齢ごろから16週齢以上まで2〜4週ごと、地面の散歩は3回目のワクチン終了後1週間程度たってから、というものです。夜鳴きは「鳴く理由を確認してから、叱らず、要求に応じない」、トイレは「寝起き・食後・運動後に連れていき、失敗は叱らず成功を褒める」、甘噛みは「静かに中断し、おもちゃに切り替える」が基本です。そのうえで、子犬の様子がいつもと違うときは、様子見にせず動物病院に電話で相談しましょう。
ここまで読んでくれてありがとう。最初の1週間は、ひとりで抱え込まないでね。
ゆっくり、いっしょに慣れていこうね!
参考情報源
- アニコム損保「みんなのどうぶつ病気大百科」犬を迎える準備
- アニコム損保「みんなのどうぶつ病気大百科」子犬の健康を守る!
- アニコム損保「みんなのどうぶつ病気大百科」子犬期の食事について
- アニコム損保「みんなのどうぶつ病気大百科」犬のトイレのしつけ(1)
- アニコム損保「みんなのどうぶつ病気大百科」困ったこと 夜鳴き
- アニコム損保「みんなのどうぶつ病気大百科」子犬が甘噛みする理由は?噛み癖をなくすためのしつけについて
- アニコム損保「犬との暮らし大百科」子犬のフードのあげかた 食べないときはどうしたらいい?(2〜6ヶ月齢編)(獣医師監修)
- アニコム損保「犬との暮らし大百科」犬の睡眠に必要な環境や時間について(獣医師監修)
- アニコム損保「犬との暮らし大百科」犬の混合ワクチンについて(獣医師監修)
- アニコム損保「犬との暮らし大百科」「犬の社会化」の必要性!(獣医師監修)
- アイペット損保「犬を飼い始めたときにすることは?しつけの方法やポイントをおさえよう!」(獣医師・鷺島祥子氏監修)
- PECO「犬が夜鳴きをする!夜鳴きの理由とその対策について」(電話どうぶつ病院Anicli24・三宅亜希院長監修)
- anicom you「犬が暮らしやすい適温は何度?温度管理の方法やポイントは?」
(各情報源は2026年10月3日に確認しました。数値は出典ごとに表現に幅があるものがあります。記載内容は一般的な情報であり、個々の子犬の診断に代わるものではありません。)



