年末年始が近づくと、「帰省するけれど、犬はどうしよう」「ペットホテルはもう埋まっている?」と気になってきますよね。まず結論からお伝えします。年末年始は預け先が取りにくい可能性があるため、「預ける」「一緒に連れて行く」「家で待たせる」のどれにするかを早めに決めて、予約や確認を前倒しで進めるのがおすすめです。予約がいつ頃から埋まるかは施設によって違い、今回確認した資料には時期の数字が見当たらなかったため、この記事では載せていません。気になる施設には、まず予約の受付開始日を問い合わせてみましょう。
持病がある・高齢・子犬・最近体調が安定しない場合は、預け先や移動手段を決める前に、かかりつけの動物病院に相談してください。預け先や旅先で具合が悪そうなときは、自己判断で様子を見ず、すぐ動物病院へ連絡しましょう。アニコム損保の獣医師監修記事では、かかりつけの病院が休診日や時間外であることもめずらしくないため、休診日にどの病院へ行くか、近くの夜間対応の病院はどこかを、余裕のあるときに調べておくよう勧められています。
この記事では、年末年始の過ごし方の選択肢、預け先を選ぶときの確認点、一緒に帰省するときの移動と実家での注意、準備の流れをまとめました(情報確認日:2026年10月7日)。具体的な商品名・メーカー名は出さず、準備の進め方を中心にしています。数日間の留守番全般については数日間の留守番の記事もあわせてご覧ください。
まず決める:年末年始の犬の過ごし方、5つの選択肢
年末年始の犬の過ごし方は、大きく分けると次の5つです。どれがいちばん良いという答えはなく、犬の年齢・性格・健康状態、不在の日数、頼れる人や施設によって向き不向きが変わります。環境の変化は犬のストレスの原因になりうるとされているため(引っ越し・環境の変化によるストレスの記事も参考になります)、預ける場合も連れて行く場合も、犬にとって「いつもと違う」ことへの配慮が大切です。
| 方法 | 向いていそうなケース | 事前に確認したいこと |
|---|---|---|
| ペットホテル | 不在の日数が決まっていて、その間の世話を任せたい | 第一種動物取扱業の登録、夜間の体制、具合が悪くなったときの対応、ワクチン証明書の条件 |
| 動物病院の一時預かり | 持病や高齢などで、医療面の安心を重視したい | 受け入れの可否・年末年始の受付日程・預かり中の過ごし方(病院ごとに異なります) |
| ペットシッター(訪問) | 慣れた自宅で過ごさせたい、ホテルが苦手そう | 第一種動物取扱業の登録(環境省:ペットシッターも「保管」に該当)、体調急変時の連絡先 |
| 家族・知人に預ける | 犬がよく知っている相手や場所がある | 普段の食事・散歩・薬・かかりつけ病院を書いたメモを渡す |
| 一緒に帰省・旅行 | 移動と滞在先に無理がなく、犬も移動に慣れている | 移動手段の規定、滞在先の安全、犬の性格・体調 |
自宅に犬だけを残す方法は、日数が長くなるほど体調急変に気づけないリスクが高まります。やむを得ず選ぶ場合の考え方は、数日間の留守番の記事で解説しています。
預け先は取りにくい?調査から分かること
ペット保険比較サイト「ペット保険STATION」(株式会社エレメント)が2025年11月に、全国の24〜88歳の男女300人にインターネットで行った「年末年始のペットホテル利用」の調査が、2025年12月28日にDIMEで紹介されています。報道記事で確認できた内容は次のとおりです。
- 年末年始にペットを預けた経験がある人は20.33%、ない人は79.67%
- 年末年始にホテルの予約を試みた人のうち「希望通り予約できた」は32%。ほかに「空きが少なく選べなかった」21%、「完全満室で予約不可」4%、「自宅近くにホテルがほとんどない」29%
- 予約できなかったときの対応は、「家族・知人に預けた」33.82%、「日程をずらした」20.59%、「旅行・帰省の予定を変更/中止」17.65%
ただし、この調査は回答者がペットの飼い主に限られるか、犬と猫の内訳がどうなっているかが、確認できた報道記事には書かれていません。300人規模のインターネット調査でもあるため、「年末年始は希望どおりに予約できないこともあるようだ」という参考程度にとどめるのが安全です。数字を過信するより、「預ける場合は早めに動く」「預け先がだめだったときの次の案も用意しておく」ことが、いちばんの備えになります。
ペットホテル・ペットシッターに預けるときの確認ポイント
まず「登録」を確認する
環境省の資料によると、顧客の動物を預かる「保管」の事業(ペットホテル・ペットシッターが該当)を営むには、事業所ごとに都道府県知事または政令指定都市の長の登録を受ける必要があり、標識(識別票)の掲示も義務づけられています。アニコム損保の解説でも、法的な認可を受けているかを必ず確認するよう書かれています。ペトコト(PETOKOTO)の解説では、動物取扱業の登録証が掲示されているかは信頼できるかどうかの大きな目安で、見当たらなければ遠慮なく確認してよいとされています。
施設を比べるときの6つの視点
アニコム損保の「みんなのどうぶつ病気大百科」では、ペットホテル選びのポイントとして次の点が挙げられています。
- 施設のタイプ:ケージタイプか個室タイプか。個室は料金が高めですが、ケージが苦手な犬や多頭飼いに向くとされています
- 食事:普段食べているフードを持ち込めるか。食べ慣れないものでお腹の調子をくずすことがあるためです
- 散歩:散歩の有無、ドッグランか外か、脱走防止の対策はどうなっているか
- 夜間の体制:24時間スタッフがいる施設は、持病のある犬では安心材料になります
- 医療対応:動物病院に併設か。併設でなくても、具合が悪くなったときの対応を事前に聞いておく
- 登録の有無:上で説明した第一種動物取扱業の登録
ペトコトの解説では、動物病院併設は体調不良時に獣医師が対応できる反面、ケージでの預かりが多く、構ってもらえる時間が少ない場合がある、とされています。ペットサロン併設型のようにケージから出して過ごせるプランがある施設は、体調不良時の医療対応がない場合がある、という違いも紹介されています。口コミやホームページだけでなく、可能なら実際に見学して、清潔さや様子を自分の目で確かめるのがおすすめです。料金は施設・犬の大きさ・時期によって変わるため、この記事では目安額を載せていません。
預ける前にやっておきたい準備
- ワクチン:アニコム損保の解説では、利用日から1週間以上前までにワクチンを済ませておくこととされています(初めての接種では2回が必要)。犬の狂犬病ワクチンは狂犬病予防法で年1回の接種が決められており、混合ワクチンも合わせて、ワクチンの種類・接種日・接種した動物病院が分かる証明書の提出を求められるのが一般的です。必要な証明書や接種後の日数の条件は施設ごとに違うので、予約の時点で確認しましょう
- ノミ・ダニの予防:ペトコトの解説で、預ける前の準備として挙げられています
- 健康診断・便検査:アニコム損保の解説では、体調を把握し、必要な薬を確保しておくために挙げられています
- 迷子札・マイクロチップ:脱走したときの備えです(迷子・脱走対策の記事も参照)
- ケージ・クレートに慣らす:いきなり長時間入れず、短い時間から慣らしておく
- 短時間のお試し利用:長期の利用の前に、まず短い時間・短い日数で試すとよいとされています(アニコム損保・ペトコト)
預けるときに伝えること・持っていくもの
- ワクチン証明書
- 普段のフード(持ち込める施設の場合)と食器、毛布などいつも使っているもの
- 処方されている薬・緊急時の薬
- 緊急連絡先と旅程表、かかりつけ動物病院の連絡先
- 普段の様子(食事量、排泄、苦手なこと、持病など)をメモにしてスタッフに伝える
アニコム損保の解説では、預けるときは時間に余裕を持つこと、そして飼い主さんが心配そうな顔を見せないことも大切とされています。スタッフとの信頼関係が、犬の不安を和らげることにつながるためです。
帰ってきたあとの様子も観察する
ペットホテルについては、体調をくずして帰ってくることへの不安の声も調査で挙げられています(数日間の留守番の記事参照)。帰宅後は数日、食欲・排泄・元気の様子を見て、下痢・嘔吐が続く、食べない、ぐったりしているなどの場合は、自己判断せず動物病院に相談してください。症状ごとの見分け方は、犬の下痢・嘔吐の記事と犬がご飯を食べないときの記事にまとめています。
一緒に帰省するときの移動と実家での注意
電車で移動する場合:JR東日本のルールの例
JR東日本のよくある質問ページ(2024年3月4日更新)によると、小犬や猫などの小動物は、次の条件を満たせば車内に持ち込めます。
- 動物専用のケースに入れ、ケースのタテ・ヨコ・高さの合計が120cm以内、ケースを含めた重さが10kg以内
- 乗車駅の改札口などでケースを見せて、手回り品きっぷ(290円)を購入する
- 駅や車内では、ケースから動物を出さない
- ペットカート(ペットバギー)は、カートごとでは寸法の制限を超えるため使えない。カートとケースを分けて、ケースだけが制限内であれば持ち込める
つまり、ケースを含めて10kgを超える犬は、この条件では電車に乗れない可能性があります。ほかの鉄道会社・バス・飛行機は、規定が会社ごとに異なります。乗る交通機関の公式サイトで、事前に条件を確認してください。移動前には、キャリーに慣らしておくことも大切です。車で帰省する場合は、車移動・車酔い対策の記事も参考になります。アニコム損保のお出かけ記事では、移動のときは時間に余裕を持ち、十分な休憩と水分補給を取るよう勧められています。
実家・滞在先で気をつけたいこと
アニコム損保の「anicom you」の記事では、帰省・旅行先で実際に起きた賠償責任の事故例として、家具や壁紙をかじる、家電のコードを噛み切る、ソファへの粗相、来客の靴の破損、カバンの中身を荒らす、といったケースが紹介されています。対策としては、次の点が挙げられています。
- 犬から目を離さない
- 目を離すときのために、キャリーバッグなどの安全なスペースを持参する
- 到着したら、犬が届く範囲にあぶないものがないか、死角や隙間はないか、ほかの部屋への出入り口はどこかを確認し、片づけたりふさいだりする
- 粗相が心配なときは、マナーパンツやおむつを使う方法もあります
慣れない家では、ドアの開け閉めのすき間から外へ出てしまう事故も心配です。首輪・リード・迷子札を忘れずに用意し、迷子・脱走対策の記事もご覧ください。お正月のごちそうなど、人の食べ物を誤って食べてしまうことにも注意が必要です。万一のときは誤食してしまったときの対処法の記事を参考に、すぐ動物病院へ連絡してください。
帰省の持ち物リスト
アニコム損保の「お出かけ持ち物リスト」と「anicom you」のお出かけ準備の記事をもとに、帰省で役立ちそうなものを挙げます。すべてが必須ではなく、目的地や犬の状況に合わせて選んでください。
- 首輪(またはハーネス)・リード・迷子札・鑑札
- いつも食べているフード、食器、水飲み容器
- トイレシーツ(多めに)、ビニール袋、ウェットティッシュ
- ケージ・キャリーバッグ・クレート
- いつも使っているベッド・マット、お気に入りのおもちゃ、タオル
- 洋服や防寒具
- 常備薬
- 滞在先の近くの動物病院のリスト(休診日・夜間の対応も調べておく)
- ワクチン接種の証明書、加入している場合はペット保険の保険証
グッズで準備する場合の選び方のポイント
- キャリーバッグ・クレート:電車に乗る場合は、乗る交通機関の持ち込み条件(大きさ・重さ)を先に確認してから選びます。犬が中で姿勢を変えられる大きさか、外へ出たがるときも開きにくいかも見ておきたい点です。購入後は、短時間から慣らします
- 首輪・ハーネス・リード・迷子札:脱走対策として、犬の体に合っていて外れにくいか、連絡先が読みやすいかを確認します
- 携帯用の食器・水飲み容器:持ち運びやすく、洗いやすいものが便利です
- トイレシーツ・マナーパンツ:粗相が心配なときの備えです。マナーパンツやおむつは、サイズが合うものを選び、使用方法の表示に従ってこまめに替えてください
注意点:犬の負担を減らすために
- 預ける場合も連れて行く場合も、環境の変化は負担になりえます。事前の慣らし(短時間のお試し、キャリーやクレートへの慣れ)で、できるだけ負担を減らしましょう
- 慣れないクレートに長時間入れるのは逆効果になる場合があります。急に長時間の移動をさせず、慣らしたうえで休憩をはさんでください
- 体調に不安があるときは無理をしない。出発前に下痢・嘔吐・食欲不振・元気がないなどの様子があれば、予定を変えることも含めて、かかりつけの動物病院に相談してください
- 預けない・連れて行かない選択肢も検討する。信頼できる家族・知人や動物病院への相談、ペットシッターの利用、日程をずらすなどの方法があります。グッズを買うことだけが解決策ではありません
- 旅先や預け先で具合が悪くなったら、自己判断せずすぐに動物病院へ連絡してください。年末年始の診療日程は病院ごとに違うため、事前に休診日と夜間対応の病院を調べておくと安心です
年末年始の準備チェックリスト(目安)
次の流れは、各資料の内容をもとに当サイトで整理した目安です。日程は、予約状況や帰省の日程に合わせて調整してください。
- 早めに(方法を決めて、予約・問い合わせ):預ける・連れて行く・家で待たせるのどれにするかを決める。預け先を使う場合は、予約の受付開始日、登録の有無、ワクチン証明書の条件、夜間の体制を確認する。予約が取れなかったときの第2案(家族・知人、動物病院、シッターなど)も考えておく
- 預け先・移動先が決まったら(健康と慣らしの準備):ワクチンの接種状況を確認し、必要なら利用日の1週間以上前までに済ませる。かかりつけに、体調や薬、年末年始の診療日程を聞く。キャリーやクレートに少しずつ慣らし、可能なら短時間のお試し利用をする
- 出発の数日前(持ち物と連絡先):持ち物リストを確認する。普段の様子をまとめたメモ、緊急連絡先、かかりつけと滞在先近くの動物病院の連絡先を用意する
- 出発・帰宅後(様子の観察):当日は時間に余裕を持つ。帰宅後は数日、食欲・排泄・元気を観察し、気になる症状が続くときは動物病院に相談する
まとめ
年末年始の犬の過ごし方は、預ける・連れて行く・家で待たせるなど複数の選択肢があり、預け先は希望どおりに取れないこともあるようです。そのため、方法を早めに決めて、予約の受付開始日・登録の有無・ワクチン証明書などを前倒しで確認すること、第2案も考えておくことが大切です。連れて行く場合は、乗る交通機関の持ち込み条件と、実家での脱走・いたずら・誤食への備えを忘れずに。体調に不安があるときや、旅先・預け先で具合が悪そうなときは、自己判断せず動物病院に相談してください。
参考情報源
- 環境省「第一種動物取扱業者の規制」(動物の愛護と適切な管理)
- 環境省「動物取扱業者の方へ」(ペットホテル・ペットシッターは「保管」に該当)
- アニコム損保「みんなのどうぶつ病気大百科」ペットホテルにわが子を預けるなら!選び方のポイントは?
- アニコム損保「犬との暮らし大百科」犬の救急疾患、エマージェンシーに備えて(獣医師・三宅史氏監修、2026年1月更新)
- アニコム損保「みんなのどうぶつ病気大百科」お出かけ持ち物リスト
- anicom you「こんなところで!? 帰省・旅行先でのトラブル対策」(2018年7月公開)
- anicom you「【愛犬と出かけよう!①】<初心者編>まずは準備をしっかりと!」(2019年6月公開)
- JR東日本 よくあるご質問「ペットと一緒に列車に乗ることはできますか。ペットのきっぷはいくらですか。」(2024年3月4日更新)
- PETOKOTO「ペットホテルってどんなところ?選ぶ際のポイントや注意点を紹介」(2021年6月公開)
- DIME「年末年始期間のペットホテル、希望通りに予約できなかった人は7割」(ペット保険STATION/株式会社エレメント調査の紹介、2025年12月28日)



