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セント・バーナードの性格・特徴・飼い方|初心者が知っておきたいポイント

犬種評価

  • しつけのしやすさ★★★☆☆
  • 費用(家計への優しさ)★☆☆☆☆
  • 性格★★★★★
  • 体の強さ★★☆☆☆
  • 運動量の少なさ★★☆☆☆
  • 無駄吠えの少なさ★★★★☆
  • お手入れのしやすさ★★★☆☆
  • 留守番のしやすさ★★★☆☆
  • 暑さ・寒さへの強さ★★☆☆☆
総合評価★★☆☆☆

※総合評価は全犬種の中での相対評価です。

セント・バーナードは非常に温厚で忍耐強い性格とされ、子どもや他の動物とも仲良くできる傾向がありますが、超大型犬のため飼育費用がかさみやすく、胃拡張・胃捻転症候群や拡張型心筋症など命に関わる病気のリスクが指摘されている点には注意が必要です。長時間の散歩など運動量の確保も欠かせません。性格面の評価は高いものの、健康リスクと費用負担の大きさを踏まえ、総合評価を1段階下げています。気になる症状があれば早めに獣医師に相談することをおすすめします。

セント・バーナードは、スイスのアルプス地方原産の超大型犬です。かつて雪山で遭難した旅人の捜索に活躍した歴史で広く知られ、穏やかで人なつこい性格から「優しい巨人」とも呼ばれています。この記事では、成り立ち、性格、日本の暮らしで気をつけたい点、迎える前に確認したいことまでを、犬種クラブや専門メディアの情報をもとに整理します。

原産国 スイス
体高 オス70〜90cm・メス65〜80cm程度(JKC犬種標準)
体重 54〜82kg程度
性格の傾向 穏やかで友好的、忍耐強いといわれる
平均寿命 7〜10年程度(情報源により異なる)

セント・バーナードの成り立ち

ジャパンケネルクラブ(JKC)の犬種標準によると、グラン・サン・ベルナール峠(標高2,469m)には、11世紀ごろに旅人や巡礼者のための宿坊(ホスピス)が設けられました。17世紀の中ごろから、そこで護衛と保護のために大型の山岳犬が飼われるようになり、1695年以降の絵画や1707年以降の記録で確認できるとされています。

犬たちは、雪や霧で遭難した旅人の捜索に使われ、多くの人が凍死を免れたと伝えられています。VCA Animal Hospitalsは、犬が掘り出した人のそばに寄り添って体を温め、別の犬が宿坊へ知らせに戻ったと紹介しています。特に有名な「バリー」は、40〜100人を救ったとされています。19世紀にはヨーロッパ中に名が広まり、犬種名がつきました。1884年に血統書(スタッドブック)が作られ、同年にスイスのセント・バーナード・クラブが設立され、1887年には正式にスイスの犬種として公認され、現在はスイスの国犬とされています。

Wikipediaによると、1816〜1818年の厳しい冬に雪崩で多くの繁殖犬を失い、1850年代には残った犬にニューファンドランドを掛け合わせて、体格や被毛が変わったとされています(Wikipediaの記載)。この経緯もあり、現在は被毛の短いタイプ(ショートヘアード)と長いタイプ(ロングヘアード)の2種類があります。ニューファンドランドについてはニューファンドランドの性格・特徴・飼い方の記事も参考にしてください。なお、首に小さな樽をつけた姿はよく知られていますが、宿坊の僧侶たちは樽を運んだ事実を否定しており、19世紀の絵画の影響で広まったイメージとされています(Wikipediaの記載)。

セント・バーナードの性格

JKCの犬種標準では、生まれつき人なつこい犬で、穏やかな個体から快活な個体までいるとされ、用心深い性質もあると書かれています。PetMDは、落ち着いていて優しく愛情深く、小さな子どもとも相性がよい(とくに犬との接し方を理解している子ども)と述べています。VCAも、静かで穏やかな犬と説明しています。

家族と過ごす時間を求める

人と一緒にいることを好む犬種です。PetMDは、長時間ひとりで過ごすと分離不安を起こすことがあり、不安から穴掘りなどの困った行動につながる場合があるとしています。日中に家族が不在になりがちな家庭には、向かない場合があると述べています。

初対面には慎重、慣れれば穏やか

VCAは、最初は見知らぬ人に慎重ですが、飼い主が安心している相手には、すぐに打ち解けると説明しています。PetMDは、他の動物への関心は低く、子犬のうちに慣らせば他のペットとも仲良く暮らせる傾向があるとしています。

しつけは子犬のうちから

賢く、飼い主に喜んでもらいたい気持ちがあるため、ほめて伸ばす方法が向いているとPetMDは述べています。一方で、VCAは頑固な面があり、体が小さいうちにルールを教えておくことが大切としています。成長が早く、体は大きくなっても気持ちは子犬のままの時期があるため、早くから始めることが勧められています。吠えはあまり多くないとされますが(PetMD)、穴掘りなど、体の大きさに応じた対応が必要な行動もあるとされています。

なお、性格には個体差があり、ここで紹介した内容はあくまで犬種としての一般的な傾向です。迎える前に、ブリーダーや動物病院で、親犬や個体の様子について相談しておくと安心です。

身体的特徴

  • 体高:JKCの犬種標準ではオス70〜90cm、メス65〜80cm
  • 体重:おおむね54〜82kg(120〜180ポンド)。PetMDとVCAがこの範囲を示し、Wikipediaではオス64〜82kg、メス54〜64kgと記載されています
  • 被毛:ショートヘアード(短毛)とロングヘアード(長毛)の2種類
  • 毛色:白地に、大小さまざまな赤みがかった茶色の斑。背から脇腹にかけて、ブランケットと呼ばれる大きな模様が入るのが理想とされています
  • 顔まわり:垂れた唇(口の端)と、大きな頭が特徴で、よだれが多いとされています

標準では、胸、足、尾の先端、マズル(鼻づら)のバンド、額から鼻筋にかけての筋(ブレーズ)、うなじは白でなければならないとされています。耳は大きく垂れているため、PetMDは耳の中が蒸れて炎症を起こしやすいと説明しています。

飼い方のポイント

運動

運動量は中程度で、年を重ねるにつれて落ち着くとされています。PetMDは、最低でも1日に30分程度の散歩や運動を挙げています。成長期の子犬は骨や関節の発達の途中にあるため、長距離の散歩や激しい運動で無理をさせないよう、獣医師に相談しながら進めることが望ましいです。庭や柵のある環境で過ごさせるのが良いとVCAは述べています。

被毛・皮膚・耳のケア

抜け毛は、一年を通してほどほどにあり、春と秋に増えるとされています。ブラッシングは週1〜2回、抜け毛が多い時期は毎日が目安です(PetMD)。口まわりのよだれをこまめに拭く、涙やけをケアする、耳の掃除を2〜3週間に1回程度とシャンプーや水遊びの後に行う、といった手入れも紹介されています。体のしわや皮膚のたるみは、湿気がこもると皮膚炎につながることがあるため、拭いて乾かす習慣が大切です。

食事の与え方

胃拡張・胃捻転のリスクがある犬種のため、一度にたくさん与えず、食後すぐの運動を避ける工夫が一般的に勧められています。フードの量や回数、体重管理は、獣医師と相談しながら決めると安心です。

日本の住環境で気をつけたいこと

夏の暑さと湿気

雪山での救助のために作られた犬種のため、暑さと湿気が苦手とされています。獣医師が監修したPetMDの解説でも、暑く湿気の多い気候では苦労しやすい犬種として挙げられ、新鮮な水、冷却マット、扇風機などが紹介されています。日本の夏は高温多湿のため、エアコンによる室温と湿度の管理が前提になります。散歩は早朝や夜の涼しい時間帯にずらし、ぐったりする、息が荒い、といった様子があればすぐ動物病院へ連絡してください。

住まいの広さと移動

PetMDは、体の大きさからアパートなどには向かないとしつつ、広い部屋で、毎日運動できれば暮らせる場合もあるとしています。集合住宅では、管理規約で飼育できる犬の大きさや頭数が定められていることがあるため、契約前の確認が必須です。体重が50kgを超える犬では、階段やエレベーターの有無、車への乗り降り、動物病院への移動方法も事前に確認が必要です。滑りやすい床は関節への負担になることがあるため、マットなどで対策を検討してください。

よだれと日々の掃除

VCAは、垂れた口元によるよだれが、この犬種との暮らしの大きな課題のひとつだと述べています。壁や家具、床に飛ぶことがあるため、拭き取り用のタオルを各部屋に置いておくなど、掃除の手間は見込んでおくと安心です。

迎える前に確認したいこと

  • 住まいと周囲:超大型犬の飼育が認められているか。夏の室温管理ができるか
  • 家族の在宅時間:分離不安が出やすいとされるため、留守番の時間を短くできるか
  • 体力と移動手段:体重が50kgを超える犬を、散歩、病院、車での移動で支えられるか
  • 費用の見通し:一般に、体が大きい犬ほど、フード代、医療費、トリミングの費用が増えやすい傾向があります。超大型犬では特に負担が大きくなりやすいと考えられます
  • 親犬の健康検査:AKCでは、犬種の愛好団体が勧める検査として、股関節と肘関節の評価、心臓の検査、眼科検査、変性性脊髄症の遺伝子検査を挙げています。ブリーダーに検査の有無と結果を確認することが勧められます
  • 寿命の短さ:7〜10年程度と、犬の中では短めです。限られた時間をどう過ごすか、家族で話し合っておくと安心です
  • 家族の合意:しつけの方針や世話の分担を、家族全員で話し合えているか
  • 法律上の手続き:91日齢以上の犬は、飼い始めてから30日以内に市町村へ登録し、狂犬病の注射を毎年1回受けさせる必要があります(厚生労働省)
  • 終生飼養:動物愛護管理法では、飼い主が最後まで責任をもって飼うことが明文化されています(環境省)

日本での飼育頭数や入手のしやすさについては、今回の調査では確認できませんでした。迎え方はブリーダーや動物病院に相談しながら、時間をかけて調べることが望ましいです。

かかりやすい病気

セント・バーナードがかかりやすいとされている病気には、以下のようなものがあります。すべての個体がかかるわけではありません。気になる症状があれば、自己判断せず必ず獣医師に相談してください。

  • 胃拡張・胃捻転症候群:胃にガスがたまって膨らみ、ねじれることで血流が妨げられる、命に関わる緊急性の高い病気です。この犬種に強く関連するとWikipediaは述べています。落ち着きなく歩き回る、よだれ、吐きたそうなのに吐けない、食欲の低下といった様子があれば、すぐに動物病院へ連絡してください。PetMDは、予防的な胃固定術を、避妊・去勢手術と同時に行う場合があると紹介しています。
  • 股関節形成不全:股関節がうまくかみ合わず、痛みや関節炎につながる遺伝的な要素のある病気です。PetMD、VCA、Wikipediaが挙げており、Wikipediaでは特にこの犬種で多いと述べられています。子犬のうちに現れることもあれば、高齢期に目立つこともあるとされています。
  • 骨肉腫:骨にできる悪性の腫瘍で、足の骨によく見られるとされています。足を引きずる、骨が痛む、腫れるといった様子が見られることがあります。PetMDとWikipediaが挙げています。
  • 心臓の病気(拡張型心筋症):心臓の筋肉が薄くなって、血液を送る力が弱くなる病気です。Wikipediaは、この犬種で雑種犬よりかなり高い頻度で見られるとしています。AKCも、犬種の愛好団体が心臓の検査を勧めるとしています。
  • 目の病気(眼瞼内反症など):まぶたが内側に巻き込み、まつげや被毛が角膜を刺激する病気です。PetMDは、余分なまぶたの皮膚を取る手術で対処するのが一般的と説明しています。VCAも、まぶたが垂れて異物がたまり、痛みにつながることがあると述べています。

このほか、首の神経が圧迫されてふらつく「ウォブラー症候群」が挙げられることもあります(PetMDの記載。一部の解説での記載)。足元がふらつく、首を痛がるといった様子があれば、早めに動物病院へ相談してください。

平均寿命

PetMDでは8〜10年、VCAでは7〜9年とされており、7〜10年程度がひとつの目安です。英国の調査では平均9.3年とWikipediaは紹介しています。個体差があり、飼育環境や健康管理によっても変わります。

まとめ

セント・バーナードは、穏やかで家族に優しい一方、超大型犬ならではの負担が大きい犬種です。日本の夏の暑さと湿気への配慮、よだれや抜け毛の手入れ、胃捻転や心臓の病気への備え、移動や住まいの確保が必要になります。性格や世話の負担、費用を踏まえ、家族全員で迎える準備ができているか確認してから検討することが望ましいです。気になる症状があれば、自己判断せず必ず獣医師に相談してください。

参考情報源

本記事は、JKC(ジャパンケネルクラブ)等の公的資料や獣医療・ペット関連の専門メディアの情報をもとに、編集部で内容を確認のうえ作成しています。編集方針の詳細は運営者情報をご覧ください。