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アイリッシュ・セターの性格・特徴・飼い方|初心者が知っておきたいポイント

犬種評価

  • しつけのしやすさ★★★☆☆
  • 費用(家計への優しさ)★★☆☆☆
  • 性格★★★★☆
  • 体の強さ★★★☆☆
  • 運動量の少なさ★☆☆☆☆
  • 無駄吠えの少なさ★★★★☆
  • お手入れのしやすさ★★☆☆☆
  • 留守番のしやすさ★★☆☆☆
  • 暑さ・寒さへの強さ★★★☆☆
総合評価★★★☆☆

※総合評価は全犬種の中での相対評価です。

アイリッシュ・セターは明るく人懐こい性格で、子どもや他のペットとも仲良くしやすく、無駄吠えも少ない傾向があるとされています。一方、鳥猟犬として非常に高い運動能力を持ち、毎日たっぷりの運動が欠かせないほか、ひとりで放っておかれると分離不安やいたずらにつながりやすいといわれています。胃拡張胃捻転や股関節形成不全などにも注意が必要で、運動と一緒に過ごす時間を十分に確保できる家庭に向いているでしょう。

アイリッシュ・セターは、アイルランド原産の大型の鳥猟犬です。濃い赤褐色(栗色)の艶やかな被毛と、陽気で人なつこい性格で知られています。一方で、運動量が多く、いたずらもしやすいとされ、毎日の運動と、一緒に過ごす時間を十分にとれる家庭に向くといわれています。この記事では、成り立ち、性格、日本の暮らしで気をつけたい点、迎える前に確認したいことまでを、JKCの犬種標準や獣医関連メディアの情報をもとに整理します。

原産国 アイルランド
体高 約62〜68cm程度(JKCはオス約67cm・メス約62cm)
体重 約25〜34kg程度
性格の傾向 陽気で人なつこい、活発といわれる
平均寿命 12〜14年程度

アイリッシュ・セターの成り立ち

ジャパンケネルクラブ(JKC)の犬種標準によると、狩猟用のワーキング・ドッグとして作出され、アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターと、由来がはっきりしない赤い単色の犬が起源とされています。18世紀には明確なタイプが見られたとされ、1882年にアイリッシュ・レッド・セター・クラブが設立され、1886年に犬種標準が作成されました。同じ仲間のアイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターも、この犬種のルーツと深く関わっています。

VCAは、起源ははっきりしないとしたうえで、アイルランドでは赤と白の犬、あるいは赤い犬がいたと説明しています。アメリカでは赤い単色が標準になりました。専門家の中には、14世紀の猟犬のスパニエルが祖先と考える人もいるそうです。Wikipediaは、デ・フレイン家が1793年に交配の記録をつけ始めたと紹介しています。名前の「セター」は、獲物を見つけると伏せて猟師に知らせる動きに由来します(PetMD)。

Wikipediaによると、作業用のレッド・セターは約20kgとやや小柄で、ショー向けの犬は70ポンド(約32kg)に達することも多いと紹介されています。見た目や体格のタイプに違いがある点は、迎える前に知っておきたいところです。同じ鳥猟犬の仲間には、イングリッシュ・セターやゴードン・セターもいます。

アイリッシュ・セターの性格

JKCの犬種標準は、鋭敏で利口、エネルギーに満ち、愛情深く誠実な性格としています。PetMDは、愛情深く遊び好きで、友好的で社交的、他の動物ともうまく引き合わせれば仲良くなりやすいと述べています。VCAは、愛情深くやさしい性格ですが、とても元気で興奮しやすく、意志が強くいたずら好きな面もあると紹介しています。

見知らぬ人への態度は、情報源により表現が異なります。ロイヤルカナンの日本語ページは「フレンドリーで警戒心の強い犬」としていますが、VCAは、人に対する冷たさや疑い深さは、この犬種には当てはまらないと述べています。個体差がある点に注意が必要です。

しつけについて、PetMDは、頭がよく覚えが早いが独立心もあるため、短く楽しい練習を、ほめたりおやつを使ったりしながら続けるよう案内しています。VCAは、感受性が強く、厳しい叱り方には向かないため、一貫して根気のある訓練が必要としています。

身体的特徴

  • 体高:JKCの標準はオス約67cm、メス約62cmです。VCAはオス27インチ(約69cm)、メス25インチ(約64cm)としています。Wikipediaは、FCIの標準としてオス58〜67cm、メス55〜62cmと紹介しています
  • 体重:PetMDは60〜70ポンド(約27〜32kg)、VCAは55〜75ポンド(約25〜34kg)、Wikipediaはオス29〜34kg、メス25〜29kgです。JKCのページに体重の記載はありません
  • 体型:JKCによると、脚が長くすらりとしていて、運動能力が高く、表情は優しいと説明されています。Wikipediaは、胸が深く、腰が細いと紹介しています
  • 被毛:JKCは、濃い赤褐色(リッチ・チェスナット)で、黒い差し毛は見られないとしています。胸、のど、足先の白色や、額の小さな白い星は、失格にはなりません。Wikipediaは、中程度の長さの絹のような被毛で、尾、耳、胸、脚に飾り毛があると説明しています

飼い方のポイント

運動の量

VCAは、1日1時間以上の激しい運動が必要としています。PetMDも、運動の必要量が多く、成犬になってもエネルギーに満ちているとしています。ロイヤルカナンは、屋外のスペースが必要としています。

被毛のお手入れ

PetMDは、もつれを防ぐため、毎日、少なくとも週2〜3回のブラッシングを案内しています。耳の掃除は週1回、爪や毛の手入れは月1回が目安とされています。VCAは、週2回以上のブラッシングとコーミングを行い、3〜4か月ごとに毛先をカットすると述べています。

食事の回数としつけ

PetMDは、胃拡張胃捻転の危険を減らす工夫として、1日2回に分けて少なめの食事を与えることを挙げています。VCAは、家に迎えたらすぐに、トイレのしつけと基本の服従訓練を始めるよう案内しています。

日本の住環境で気をつけたいこと

集合住宅と体の大きさ

PetMDは、体の大きさが見過ごされやすく、集合住宅での暮らしには向かないと述べています。ロイヤルカナンの日本語ページは、サイズ区分を中型とし、屋外のスペースが必要としています。日本の住宅では、散歩の時間だけでなく、家の中の動線や、管理規約で大型犬が認められているかも確認しておきたい点です。賃貸で犬と暮らす記事も参考になります。

留守番といたずら

PetMDは、人との触れ合いに時間が必要で、庭に出したままにして放っておくのは合わないとしています。かじる癖が出やすいため、家の中を犬がかじっても困らない状態に整えておく(ドッグプルーフ)よう案内しています。VCAも、しつけがされていないと家の中を荒らされることがあるとし、運動を十分にしたあとでないと留守番は難しいと述べています。かじってよいおもちゃを用意し、靴やコード類は片づけておくなどの工夫が考えられます。

暑さ・寒さへの備え

暑さや寒さへの強さは、確認できた情報源に記載がありませんでした。長い被毛があるため、日本の夏は散歩の時間帯を涼しい時間に調整し、室温を犬の様子を見ながら管理することが望ましいです。犬の熱中症の記事も参考になります。

迎える前に確認したいこと

  • 運動と時間:毎日1時間以上の運動と、人と触れ合う時間を確保できるか
  • 在宅時間:留守番が長くなりがちな生活でないか。留守番の前に運動できるか
  • 家の中の整理:かじって困るものを片づけ、犬がいたずらしにくい部屋を整えられるか
  • 体の大きさ:大型犬の食費、キャリーやベッドなどの用品、車での移動が負担にならないか。大型犬の用品選びは、大型犬向けグッズの選び方で整理しています
  • 被毛のお手入れ:週2〜3回以上のブラッシングを続けられるか
  • ブリーダー選び:VCAは、入手しやすい犬種なので、繁殖者を慎重に選ぶよう案内しています。親犬の健康検査について確認できるか
  • 費用の見通し:フード代、医療費が10年以上続く費用として考えられるか。ペット保険は入るべきか?メリット・デメリットの記事も参考になります
  • 法律上の手続き:生後91日以上の犬は、飼い始めてから30日以内に市町村へ登録し、狂犬病の予防注射を毎年1回受けさせる必要があります(厚生労働省)
  • 終生飼養:動物愛護管理法は、平成24年の改正で、飼い主が最後まで責任をもって飼うこと(終生飼養)を明文化しています(環境省)

かかりやすい病気

アイリッシュ・セターがかかりやすいとされている病気には、以下のようなものがあります。すべての個体がかかるわけではありません。気になる症状がある場合は自己判断せず、必ず獣医師に相談してください。

  • 胃拡張胃捻転:胃がふくらんだりねじれたりする緊急性の高い病気で、胸が深い犬種で起こりやすいとされています。PetMD、VCA、Wikipediaの3つが挙げています
  • 股関節形成不全:股関節がうまくかみ合わず、痛みや関節炎につながる病気で、PetMDとVCAが挙げています
  • 進行性網膜萎縮症:網膜の細胞が少しずつ失われ、視力が落ちていく病気で、PetMDとVCAが挙げています
  • てんかん:発作を繰り返す病気で、PetMDは原因がはっきりしないタイプを、VCAはてんかんを挙げています
  • 皮膚の病気:VCAがさまざまな皮膚の病気を挙げ、Wikipediaはアトピー性皮膚炎になりやすいと紹介しています

このほか、PetMDは前十字靭帯の断裂、甲状腺機能低下症、離断性骨軟骨症を挙げています(一部の解説での記載)。Wikipediaは、遺伝性のグルテン過敏性腸症を挙げています(一部の解説での記載)。定期的な健康診断を受け、食欲、体重、歩き方、目の見え方を日ごろから確認しておくことが大切です。

平均寿命

PetMDは約14年、VCAは12〜14年、ロイヤルカナンは12〜15歳としています。Wikipediaは一般的な目安を11〜12年とし、2024年の英国の調査では12.9年と紹介しています。情報源により幅があるため、12〜14年程度がひとつの目安です。個体差があり、飼育環境や健康管理によっても変わります。

まとめ

アイリッシュ・セターは、艶やかな赤褐色の被毛と、陽気で人なつこい性格が魅力の大型の鳥猟犬です。運動量が多く、人との触れ合いも必要とされるため、毎日の運動と一緒に過ごす時間を確保できるかが大切といわれています。家の中のいたずら対策や、住まいの規約も、迎える前に確認しておきたい点です。気になる症状があれば、獣医師に相談してください。

参考情報源

本記事は、JKC(ジャパンケネルクラブ)等の公的資料や獣医療・ペット関連の専門メディアの情報をもとに、編集部で内容を確認のうえ作成しています。編集方針の詳細は運営者情報をご覧ください。