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犬のごはんは1日何回?子犬・成犬・シニア別の回数の目安と、1日1回・置き餌の注意点

「朝晩2回で足りているの?」「仕事で夜が遅くなる日は、1日1回でもいい?」「子犬は何回から2回に減らせばいい?」。ごはんの回数は、量や銘柄に比べて調べる機会が少なく、なんとなく続けている方も多いところです。この記事では、環境省のガイドライン、ペットフード協会、動物病院グループやペットフードメーカーの解説、そして1日1回給餌を調べた研究をもとに、犬のごはんの回数の目安をまとめました。結論から言うと、目安は「成犬は1日2回を基本に、子犬は月齢に応じて4回→3回→2回と減らす」です。ただし出典によって数字に幅があり、胸の深い大型犬や体質によっては、回数を増やしたほうがよい場面もあります。1日あたりの量は「犬のご飯の量は1日何グラム?」、切り替えの手順は「ドッグフードの切り替え方」で紹介しているため、この記事では「1日に何回に分けるか」に絞っています。

先に確認:回数の工夫より、動物病院に相談したい様子

次のような様子があるときは、ごはんの回数を変える前に、かかりつけの獣医師に相談しましょう。

  • 食欲がない状態が続いている(環境省のガイドラインは、健康な犬でも1〜2日フードを食べないことはあるが、積極的に食べない場合は病気の前兆と考えてよい、としています)
  • 空腹の時間が長いときに、黄色っぽい泡や液を吐く、数日にわたって嘔吐をくりかえす
  • 子犬や小型犬で、ふらつく・ぐったりする・元気がなくなる(低血糖の症状として挙げられているもの。けいれんや意識がない場合は、すぐ動物病院へ)
  • お腹が急にふくらんだ、吐こうとしても吐けない、よだれが増えた、落ち着きがなく苦しそう(胃拡張・胃捻転の可能性があり、緊急です。様子を見ず、すぐに動物病院へ連絡してください)

食べない原因の見分け方は「犬がご飯を食べない原因と受診の目安」、下痢・嘔吐は「犬の下痢・嘔吐」で紹介しています。

回数の目安:年齢・体格別の早見表

出典ごとの数字を並べると、次のようになります。月齢の区切りは出典や体格で少しずつ異なるため、あくまで目安です。

区分回数の目安出典での記載
生後6〜12週ごろ1日4回環境省「4回程度」、ロイヤルカナン ジャポン「4回」、ヒルズ(日本)「4回」。VCA(米国の動物病院グループ)は、月齢の指定なく子犬は3〜4回
生後3〜4か月ごろまで(超小型・小型犬は〜4か月)1日3〜4回ロイヤルカナンは小型犬〜4か月・大型犬〜6か月で3回。PetMD(獣医師レビュー)は、超小型犬は4か月まで4〜5回、小型・中型犬と大型犬は4か月まで3回
それ以降〜成犬1日2回ロイヤルカナンは小型犬4か月〜・大型犬6か月〜で2回。ヒルズは生後6〜12か月で2回
成犬(1〜7歳ごろ)1日2回を基本(2〜3回)環境省は2回。ペットフード協会は1〜3回で、できる限り朝晩2回以上。VCAは少なくとも2回。PetMDは、大型・超大型犬は2〜3回
シニア犬(7歳以上ごろ)成犬と同じく2回を基本ヒルズは「1日2回を続ける」。PetMDも成犬とシニアを同じ区分で、小型・中型犬は2回、大型・超大型犬は2〜3回

なお、表の数字は米国など海外の出典を含みます。日本の環境省ガイドラインの「子犬は4回程度、成犬は2回」が、国内でもっとも基本になる目安です。愛犬の月齢・体重・体質によって調整が必要な場合は、かかりつけの獣医師に確認してください。

子犬:いつ回数を減らす?小型犬は低血糖にも注意

環境省のガイドラインは、子犬は一度に食べられる量が少ないため、4回程度に分けて与えるとしています。回数を減らす時期は、出典によって次のように書かれています。

  • ロイヤルカナン ジャポン:生後6〜12週は4回。小型犬は4か月まで、大型犬は6か月までは3回。それ以降は2回
  • ヒルズ(日本):6〜12週齢は4回、3〜6か月齢は3回、6〜12か月齢は2回
  • PetMD(獣医師レビュー):超小型犬は4か月まで4〜5回、4〜6か月で3回、6か月以降は2回

同じ「3回」でも、月齢の区切りが出典ごとに2か月ほどずれています。環境省のガイドラインは、成長期の長さを小型犬で生後約50日〜10か月、中型犬で約1年、大型犬で約1年半、超大型犬で約2年としており、体格が大きい犬ほど成長期が長く、回数を減らす時期も遅めになる傾向があります。

小型犬の子犬は、低血糖に注意

アニコム損保の解説によると、低血糖は生後3か月ごろまでの、食べる量が少ない小型犬に多く、長時間食事がとれないことやストレスが原因になるとされています。症状はふらつき、ぐったりする、元気や食欲がなくなる、全身のけいれん発作、昏睡など。防ぐ工夫として、1回あたりの量を減らして食事の回数を増やすことが挙げられています。症状が出たときは、意識がしっかりしていれば砂糖水を舌につけて舐めさせると回復することがあるとされる一方で、けいれんや昏睡で口から与えられない場合は、すぐに動物病院での処置が必要です。

お迎え直後の食事は、環境が変わったストレスで量が減りやすい時期でもあります。過ごし方は「子犬を迎えた最初の1週間」も参考にしてください。

成犬:1日1回・2回・3回、どれがよい?

成犬の回数は、出典によって見解に幅があります。ここでは分かれている点を、そのまま並べます。

1日2回が基本とされる理由

環境省のガイドラインは、犬は1回で1日分のフードを食べられるほど大きな胃を持っているものの、1日1回だけの場合は、慌てて飲み込んでのどに詰まらせたり、肥満になりやすいといわれるため、成犬では1日分を2回に分けて与えるよう案内しています。ペットフード協会は、成犬の目安を1日1〜3回としたうえで、できる限り朝晩の2回以上が望ましいとしています。食事の間隔が長くあくと、胃液や胆汁を吐くことがあり、体が飢餓状態と受け取って余分に脂肪をためやすくなる、とも説明されています。

VCA(米国の動物病院グループ)も、成犬は少なくとも1日2回を基本とし、犬によっては1回で問題がない場合もあれば、3回目(昼や寝る前の軽い食事)を足したほうがよい場合もあるとしています。胃は数時間で空になり、食べずに8〜10時間たつと空腹のサインが出始める、と説明されています。逆流性食道炎のように、胃が長く空になると逆流を起こしやすい犬では、回数を増やす必要があるとも書かれています。

「1日1回のほうが健康」という研究について

2022年に学術誌GeroScienceに掲載された、米国のDog Aging Projectの研究では、飼い主へのアンケート(認知機能の分析は10,474頭、健康状態の分析は24,238頭)をもとに、1日1回給餌の犬は、認知機能の低下を示す点数が低く、消化器・歯・整形外科・腎臓や泌尿器・肝臓や膵臓の病気の報告が少ない傾向があったと報告されています。

ただし、研究チーム自身が、この結果は「健康に違いがある」という関連を示したにとどまり、回数が原因かどうかは分かっていない、体調のよくない犬ほど回数を増やして与えられている可能性や、総カロリーとの区別ができていない点があると説明しています。また、今回の研究は愛犬のごはんの回数を決めるための推奨ではない、とも明記されています。環境省が示す「1日1回は好ましくない」という基本とは考え方が異なるため、今の回数をこの研究だけで変える必要はないと考えられます。

当サイトの整理

成犬は、環境省・ペットフード協会・VCAが共通して挙げる「1日2回(朝と夕方)」を基本にし、留守が長い、空腹で吐くことがある、胸の深い大型犬といった事情があれば、1日の総量を3回に分けることを検討する、という考え方が無難です。1回に変えたい場合も、獣医師に相談してからにしましょう(これは複数の出典を踏まえた編集部の整理です)。

大型犬・胸の深い犬:胃拡張・胃捻転のリスクと食事の回数

VCAの解説によると、胃拡張・胃捻転(GDV)は、グレート・デン、セント・バーナード、ドーベルマンなど、大型で胸の深い犬に多いとされますが、小型犬を含めどんな犬にも起こりえます。リスクとして挙げられているのは、次のような点です。

  • 1日1回の給餌、または早食い
  • 大量の食事や水のあとに運動すること
  • 家族に胃捻転の既往がある、やせている、不安が強い・神経質な性格、中高齢であること

VCAの大型・超大型犬向けの解説では、子犬は少なくとも1日4回、成犬は少なくとも1日3回の少量ずつの給餌が示されており、1日1回の給餌や早食い、食器を高い位置に置くこと、ドライフードを湿らせること、ストレス(多頭飼いで取り合いになる場合など)も、リスクとして挙げられています。ただし、同じ解説は、研究結果が一貫していない要因が多いことにも触れており、回数を増やせば確実に防げるというものではありません。

症状は、落ち着きがなくなる、よだれが多くなる、呼吸が荒い、吐こうとして吐けない、お腹がふくらむ(左側に目立つ)、ぐったりして立てない、などです。VCAは、命にかかわる緊急事態で、手術が必要になることがあり、数分〜数時間以内に連絡するよう説明しています。食後の運動や早食いが心配な犬は、食後は落ち着いて休ませる、早食いの傾向があれば獣医師に相談する、といった工夫を検討してください。

シニア犬・体重が気になる犬:回数と量の考え方

ヒルズ(日本)は、シニア犬(7歳以上)にも、成犬と同じ1日2回のごはんを続けるよう案内しています。必要なカロリーは体重や活動量によっても変わるため、回数よりも、1日の総量が合っているかのほうが大切です。体重の測り方は「犬の体重、増えてきて気になりますよね」で紹介しています。

体重を減らしたい場合について、環境省のガイドラインは、本格的なダイエットは獣医師の指導のもとで行う必要があるとしたうえで、軽度〜中度の肥満であれば、フードを通常の30〜40%減らし、1週間に体重の1〜3%ずつ減るくらいを目安にするとしています。このとき、空腹感を抑えるために、1日量を3〜4回に分けて与えると案内されています。40%以上減らす急なダイエットは体に悪影響を与える危険があるとされています。自己判断で量を減らさず、まず獣医師に相談しましょう。

置き餌(自由給餌)は?

VCAは、いつでも食べられる状態にしておく「自由給餌」は、特に子犬では推奨されないとしています。若い時期の肥満、過食、整形外科の問題、糖尿病などにつながるおそれがあるためで、よく食べる犬は、その日の総量を量って、決まった時刻に何回かに分けて与える方法が紹介されています。環境省のガイドラインも、犬は目の前にある食べ物をお腹いっぱいになるまで食べてしまうため、パッケージの給与量の目安を参考にして、体重や健康状態に合わせて量を調整するよう案内しています。

また、環境省は、缶詰・レトルト・手作りフードは、ボウルに出したあとの傷みがドライフードより早いため、出しっぱなしを避け、給与時間は20分程度を目安にするとしています。開封後の保存は「ドッグフードの保存方法と賞味期限の読み方」で紹介しています。

回数を変えたいとき:決め方と進め方

  1. 1日の総量を先に決める:パッケージの目安を参考に、体重・体型・運動量で調整します(量の計算ツール)。トッピングやおやつを使う場合は、その分もカロリーに入れます(トッピングの記事)。
  2. 総量を回数で割る:回数を増やしても、1日の総量は増やしません。ペットフード協会も、1日の給与量を出したうえで、回数で割って1回分を決めるよう案内しています。
  3. 食事の間隔を極端にあけない:朝夕の2回なら、朝と夕方の間、夜から翌朝までを大きく偏らせないようにします。時刻は毎日そろえるほうが、犬も生活のリズムをつかみやすいと考えられます(編集部の整理)。
  4. 便と食べ方を見ながら進める:回数の変更で便がゆるくなる、食べ残しが続くといった様子があれば、元の回数に戻して獣医師に相談します。

留守が長い日・夜遅くなる日はどうする?

1日2回が基本でも、朝と夜の間が極端にあくと、空腹で吐いてしまう犬もいます。そのような場合は、1日の総量を変えずに、昼に少量を足して3回にする方法が考えられます(VCAは、昼や寝る前の軽い食事を足す方法に触れています)。出かける前に食べ物を出しっぱなしにする場合は、環境省が注意しているとおり、ウェットや手作りのフードは傷みが早いため避けましょう。ふやかしフードの扱いは「ドッグフードのふやかし方」に書いています。

ごはんの回数を考えるときの注意点

  • 回数を増やしたときは、1日の総量を増やさず、1回あたりの量を減らす
  • 子犬の回数は、月齢だけでなく体重の増え方や便の状態も見ながら、獣医師に確認して減らす
  • 大型犬・胸の深い犬は、早食いと食後すぐの運動に注意する。お腹のふくらみや吐こうとして吐けない様子は緊急
  • 療法食を与えている、持病がある(逆流性食道炎、糖尿病、腎臓病など)場合は、獣医師が指示した回数を優先する
  • 「1日1回のほうが健康に良い」といった情報だけで、自己判断で回数を減らさない

体調や食欲の変化、体重の増減が気になるときは、自己判断せず、かかりつけの獣医師に相談しましょう。

まとめ

犬のごはんの回数は、環境省のガイドラインを基準に、成犬は1日2回、子犬は月齢に応じて4回程度から3回、2回へと減らしていくのが基本です。成犬の1日1回給餌については、研究で健康との関連が報告されている一方、因果関係は分かっておらず、研究者自身が推奨ではないと説明しています。胸の深い大型犬は胃拡張・胃捻転のリスクがあるため、少量ずつ分けて与え、早食いと食後の運動に注意しましょう。空腹で吐く、小型の子犬がふらつく、お腹が急にふくらむといった様子があれば、回数の工夫より先に動物病院へ連絡してください。


参考情報源(2026年10月21日確認)