いぬのくらし手帖 > お悩み解決 > 犬のよだれが急に増えた?ポタポタ垂れる原因と受診の目安|心配いらない場合と、すぐ連絡したいサイン

犬のよだれが急に増えた?ポタポタ垂れる原因と受診の目安|心配いらない場合と、すぐ連絡したいサイン

犬の口元から、ポタポタ・ダラダラとよだれが垂れている。拭いてもすぐ濡れる、いつもより明らかに多い気がする――元気そうに見えても、「どこか悪いのかな」と心配になりますよね。結論は3つです。①食事の前・興奮や緊張・車の中・口元の形によるよだれは、よくあることで、基本的には心配いらないとされています。②急に量が増えた、止まらない、嘔吐・ぐったり・飲み込みにくそう・吐きたそうなのに吐けない、誤飲の心当たりがある、のいずれかがあるときは、様子見を続けず動物病院へ連絡を。③それ以外で元気も食欲もあるときは、口の中を見て、いつから・どのくらい・ほかの症状をメモしておくと、相談しやすくなります。

この記事では、獣医師監修の国内資料2本と、英国・米国の動物病院向けの資料2本をもとに、よだれの原因と受診の目安を整理しました(情報確認日:2026年10月30日)。検索でも「犬 よだれ 急に」「犬 よだれ ポタポタ」「犬 よだれ 臭い」「犬 よだれ ストレス」といった候補が並ぶ(同日確認)ように、「急に増えた」「ポタポタ垂れる」が多くの飼い主さんの気がかりです。商品名・メーカー名は出さず、グッズは種類と選ぶ観点だけを紹介します。

まず確認:すぐ動物病院に連絡したいサイン

次のような様子があるときは、自宅で様子を見続けず、動物病院に連絡してください(夜間や休日は、夜間・救急に対応できる病院の連絡先を日ごろから控えておくと慌てずに済みます)。

  • よだれの量が急に増えた、または止まらず垂れ続ける(英国PDSAは、この場合はすぐ獣医師に連絡するよう案内しています)
  • 嘔吐・下痢・ぐったりしている、痛がっている様子がある
  • お腹がふくらんでいる、吐きたそうなのに吐けない、呼吸が苦しそう(胃拡張・胃捻転の可能性があり、数時間のうちに急に進むことがあるとされます)
  • 洗剤・薬・植物・チョコレートやたまねぎなど、いけないものを口にした心当たりがある(食べた物・量・時間を控え、現物や包装を持って連絡)
  • 飲み込みにくそう、顔がゆがんでいる、舌をペロペロ出して落ち着かない、けいれんがある
  • 開口呼吸が激しい、体が熱い、ふらつく(暑い環境・車内・運動後は熱中症の可能性。体を冷やしながら受診)
  • 口をしきりに気にする、顔を床や前足でこする、食べ方が変わった・食欲が落ちた、口が臭い、血が混じる(口の中の痛みが隠れていることがあります)

国内の資料では、価格.comの獣医師監修記事(三宅亜希獣医師)が、よだれをふき取ってもすぐにまた垂れてくるなら「明らかによだれの出すぎ」として受診を検討するよう案内しています。オリコンの獣医師監修記事(松田唯獣医師)は、様子が明らかにおかしいと感じたら、早めに動物病院を受診するよう案内しています。誤飲・中毒の疑いは誤食したときの記事、熱中症の疑いは熱中症の記事も確認してください。

心配しすぎなくてよいよだれ

犬は汗をかいて体温を下げることができず、口を開けて舌を出す呼吸(パンティング)で熱を逃がします。そのため、よだれが出やすい体のつくりだと説明されています。次のような場面でのよだれは、生理的・心理的なものとして、基本的には心配不要とされています。

場面資料に書かれている内容
食事の前・においを嗅いだとき食べ物をスムーズに胃へ送る準備として唾液が増える。「待て」をしている間に垂れるのは異常ではない(オリコン、価格.com、VCA)
興奮・緊張・不安慣れない場所、知らない人や犬、動物病院などで増える。ストレスでも出る(オリコン、PDSA)。リップを舐める・あくび・パンティングを伴うことが多い(PDSA)
車に乗っているとき吐き気(車酔い)で唾液が増える(VCA)。車酔いは車酔いの記事も参考に
口元の形・犬種チワワ・フレンチブルドッグ・パグなど口先の短い犬種は出やすい傾向(オリコン)。ブラッドハウンド・マスティフ・セントバーナード・ニューファンドランドなど、唇や口元が垂れた大型犬も、口の形のせいで垂れやすい(VCA、PDSA、価格.com)
苦いものをなめたあと洗剤などを少量なめた後や、薬を飲ませた後に増えることがある。水やフードで落ち着くことが多いが、洗剤などを飲んだ疑いがあるときはすぐ受診(価格.com)

よだれが多めの犬種は、ふだんの量を知っておくことが大切です。「この子にしては多い・長い」が受診の目安になります。犬種の特徴は、ブラッドハウンド・マスティフ・セントバーナード・ニューファンドランドの図鑑記事にもまとめています。

よだれが増える原因として挙げられているもの

資料では、次のような原因が並んでいます。よだれだけで原因を見分けることはできず、ほかの症状と合わせて動物病院で調べることになります。

原因の種類資料に書かれている内容
口の中のトラブル歯垢・歯石から歯肉炎・歯周病、口内炎、口の中のできもの(良性・悪性どちらでも)、異物がはさまる、やけど(電気コードをかじるなど)。痛みで食欲が落ちることもある(価格.com、オリコン、VCA、PDSA)
吐き気(消化器・平衡感覚など)吐き気があるとよだれが増える。胃の不調、前庭疾患(平衡感覚の病気)、車酔いなど(価格.com、VCA、PDSA)
胃拡張・胃捻転吐きたいのに吐けない、大量のよだれ、お腹のふくらみ、呼吸が苦しそう。大量に食べたあとの激しい運動で起こりやすいとされ、大型犬で注意(オリコン、PDSA)
誤飲・中毒異物、洗剤などの刺激物、植物、薬品、チョコレート・たまねぎなどの食べ物(オリコン、価格.com、PDSA、VCA)
神経の病気・てんかん発作の前にだらだら垂らすことがある。顔のまひや飲み込みにくさでも出る(価格.com、オリコン、PDSA)
腎臓・肝臓の病気腎機能が落ちると毒素がたまって吐き気が出て、よだれが増えることがある。肝機能の障害でも神経症状として出ることがある(価格.com)
熱中症体に熱がこもると、舌を出して多量のよだれを垂らす。非常に緊急性が高い(オリコン、価格.com、PDSA)
唾液腺・食道の病気唾液腺炎・唾液腺嚢腫(ガマ腫)、食道内異物、食道炎、巨大食道症、逆流など(価格.com、VCA)

熱中症や胃捻転、中毒、てんかん発作は、緊急に処置が必要になることがあります。「よだれだけ」で判断せず、上の「すぐ連絡したいサイン」と見比べてください。

受診の目安は資料によって書き方が違います

「よだれが何日続いたら受診」という日数の共通基準は、今回確認した資料には見当たりませんでした。資料ごとの書き方を並べます。

資料書かれている目安
PDSA(英国の動物慈善団体の獣医師・看護師が執筆、2023年10月公開)よだれが急に増えた、または続けて垂れる/嘔吐・下痢・ぐったりなどがある/痛みや苦しそう/毒物の疑い/胃捻転・熱中症の疑い、のいずれかならすぐ連絡。ふだんより多いと気づいた段階で連絡して相談してよい、とも書かれている
価格.com(三宅亜希獣医師監修、2025年1月8日更新)口の中を観察し、痛みの原因がないか確認。ふき取ってもすぐ垂れるなら受診を検討。異常があれば病院へ
オリコン(松田唯獣医師監修、2024年7月22日公開)よだれ以外の症状がある、明らかに様子がおかしいときはすみやかに受診。誤飲・中毒・胃捻転・熱中症は、すぐ連絡
VCA Animal Hospitals(米国の動物病院グループ、2024年4月更新)原因が多岐にわたり、口の中の診察から始める。食欲低下・食べ方の変化・顔をこする・飲み込みにくさなどが合わせて出ることがある

日数の基準がない以上、「ふだんより明らかに多い」「止まらない」「ほかの症状がある」のどれかがあれば日数を待たないと考えておくと安全です。反対に、食事前や車の中だけ・興奮したときだけ・口元の形でいつも同じくらい、という場合は、慌てる必要はないとされています。

今日からできること

1. ふだんの量と、増えた場面をメモする

いつから、どんな場面で(食事前・散歩後・車・夜中など)、どのくらい(拭いても追いつかない、床にたまる)、ほかの症状(食欲、嘔吐、口臭、元気)をメモしておくと、動物病院で伝えやすくなります。オリコンの記事では、状況を動画に撮っておくと診療に役立つとされています。発作のように見える動きがあるときも、動画があると診療の役に立つとされています。

2. 口の中を、やさしく見る

価格.comでは、まず口の中を観察し、痛みの原因になりそうなものがないか確かめるよう案内されています。歯や歯ぐきの赤み・腫れ、折れた歯、はさまっている木片や植物、できものがないかを見ます。ただし、口の中が痛いと、ふだんおとなしい犬でも嫌がったり、噛もうとしたりすることがある(VCA)ため、無理に口をこじ開けたり、奥まで手を入れたりしないでください。見えない・嫌がるときは、そのまま動物病院で診てもらいましょう。

3. 誤飲・中毒の心当たりを探す

食べ物の食べ残し、部屋に落ちていたもの、植物、洗剤や薬の場所を見直します。心当たりがあれば、いつ・何を・どのくらいを控えて、現物や包装を持って連絡してください(オリコン)。電気コードをかじる癖がある犬は、口の中のやけどにつながることがある(価格.com)ため、暖房器具を使う季節はコードの置き場所も見直してみてください。

4. 暑い時期・車内では、体を冷やして涼しい場所へ

熱中症のサインは、激しい開口呼吸、よだれ、体温の上昇です。オリコンでは、風通しのよい涼しい場所へ移し、水を飲ませて、それでも熱が下がらず息が荒いときは体を冷やしながら受診するよう案内されています。詳しい対処は熱中症の記事を参照してください。

5. 食後すぐの激しい運動は避ける

オリコンでは、胃捻転は大量の食事のあとに激しい運動をすると起こりやすいとされ、大型犬で注意が必要とされています。ごはんの前後の散歩の考え方は食事と散歩のタイミングの記事にまとめています。

6. 口まわりの皮膚をケアする

よだれでぬれた状態が長く続くと、皮膚が荒れたり感染したりすることがあるとされています。VCAでは、口まわりの毛を短めに保つ、あご〜首をこまめに洗う、といったお手入れが紹介されています。ぬれたらやわらかい布で押さえるように拭き、清潔に保ちましょう。皮膚の赤みやかゆみが出たら皮膚トラブルの記事も参考に、動物病院で見てもらってください。

7. 歯と口のお手入れを習慣にする

価格.comでは、歯肉炎・歯周病を防ぐ日々の口のケアが重要で、歯垢は短期間で歯石に変わるため、できるだけ毎日(可能なら毎食)のケアを、と案内されています。歯ブラシが難しければ、軍手や指でやさしくこすることから始める方法もあるとされています。無理強いは逆効果になることがあるため、歯みがき・口臭の記事を参考に、少しずつ慣らしてください。

受診するとどうなる?

VCAとPDSAの解説では、まず、飼い主へのヒアリング(いつから、量、ほかの症状、既往歴など)と、口の中を含む全身の診察が行われるとされています。原因がはっきりしない場合は、血液検査やレントゲン検査などに進むことがあります。治療は原因によって異なり、歯の処置、異物やできものの除去、消化器の治療、刺激物を避ける、車に乗る前に吐き気止めを使う、といった対応が挙げられています(VCA)。費用は犬の状態や検査内容で大きく変わるため、病院に確認してください。

また、口元の形で垂れる犬は「よだれそのものを減らす方法は多くない」とされ(VCA)、よだれかけなどで受け止める工夫が紹介されています。

グッズ選びのポイント(商品名は載せません)

よだれの原因を治したり、病気を防いだりするグッズはありません。垂れたよだれの後始末や、口まわり・車内を清潔に保つ「手助け」としての選び方です。

種類選ぶ観点
よだれかけ・バンダナ首まわりがきつくないか、ずれにくいか。ぬれたらすぐ替えられる枚数か。洗濯しやすい素材か。長時間つけっぱなしにせず、ぬれたまま放置しない
吸水タオル・ふき取り用の布やわらかく肌をこすらない素材か。毎日洗って清潔に保てるか。口まわりのふき取りに使えるサイズか
車内用のシートカバー・ペット用シート洗える素材か。ずれにくく固定できるか。シートベルトやハーネスの固定具を邪魔しないか(車酔いが原因のときは、車酔いの記事)
フード台・食器食べやすい高さ・形か。洗いやすく清潔に保てるか。大量に食べた後の激しい運動は避ける(胃捻転の注意点より)
歯みがきグッズ(歯ブラシ・指サック・ガーゼなど)犬の口の大きさに合うか。やわらかい毛先か。嫌がる犬には小さなステップから。歯のお手入れ用であり、よだれや病気を防ぐものではありません

これらは日々のお世話を楽にするためのもので、よだれの原因や病気に効果をうたうものではありません。症状があるときは、グッズをそろえる前に動物病院へ相談してください。

よくある疑問

Q. 夜中にもよだれが垂れていた。様子見でいい?

今回確認した資料に、夜中・睡眠中のよだれについての記載はありませんでした。資料に記載がないため目安は示せませんが、量が急に増えた・いつもと違う・ほかの症状があるなら、時間帯に関わらず動物病院に相談してください。ふだんの量との比較がポイントです。

Q. 口が臭い・口の周りが濡れて赤い

口臭や、口まわりの赤みがある場合は、歯周病などの口のトラブルや、よだれによる皮膚炎のことがあります。歯の状態は見えにくいので、早めに動物病院で見てもらいましょう。歯周病の見分け方は歯みがき・口臭の記事にまとめています。

Q. ごはんを食べないのにだらだら垂れる

食欲の低下とよだれが一緒に出るときは、口の中の痛みや吐き気が隠れていることがあります(VCA、価格.com)。ご飯を食べないときの記事の受診の目安も確認し、様子を見続けずに受診してください。

Q. 子犬や高齢犬は?

今回確認した資料には、年齢別の目安は載っていませんでした。子犬や高齢犬、持病のある犬は体調が急に変わりやすいため、目安より早めにかかりつけの獣医師に相談してください。

まとめ

よだれは犬にとって自然なもので、食事前・興奮や緊張・車の中・口元の形によるものは、基本的には心配不要とされています。一方で、急に量が増えた・止まらない・嘔吐やぐったり・飲み込みにくさ・吐きたいのに吐けない・誤飲の心当たり・熱中症のサイン、のいずれかがあれば、様子を見続けず動物病院へ。ふだんの量を知っておき、口の中をやさしく見て、いつから・どのくらい・ほかの症状をメモしておくと、相談がスムーズになります。

気になる症状が続く場合は、自己判断せず獣医師に相談してください。

参考情報源(いずれも2026年10月30日に原本を確認)